大企業に入ることは正解なのか
学生が就職先を選ぶときは令和になっても大企業の方が人気なようです
HONDAの本田宗一郎社長は「組織は小さいほどいい」と語っていました
HONDAといえば日本を代表する大企業「大きい方がいいに決まってる」と大学時代は考えていましたので大いに疑問な思想でした
・会社が安定している
・優秀な学生を採用しているから優れた社員が多い
・初任給は変わらずとも中年期の金額は大きく違う
・福利厚生が良い
・賞与も退職金も全然違う
なにより「会社どこ?」と聞かれた時「大手だね」という会話ができるなど不謹慎なことも考えてました
そもそも学生の考える就職観は稚拙です
自然と『寄らば大樹の陰』の行動をとっていた就活でした
バブルが終了したとはいえ一部の業界は落ち込みましたが、ほとんどの企業の業績はよく〈採用意欲が強い企業が多い〉時代でしたので、就職氷河期世代からすれば恵まれた就活でした
守備範囲が広い中小の管理職
とある取引先の課長が独立して会社を設立しました
従業員50人にも満たない小さな会社の課長です
同じくして自分の会社の先輩の課長も同じような会社を設立しました
両社に出入りしている営業マンがショッキングなことを言います
「同じ管理職なら中小企業の管理職の方が強いですね!」
「えええ、どうして?大手の社員の方が優れてると思ってた」
二人とも同じキャリアで同じ課長職でした
これは私自身も長らく大手にいて中小に移りよく理解出来ました
同じ支店長をしていても大手企業は部署が多く、依頼すれば済むだけの話でしたが中小企業になると同じ支店長でも
・欠員が出たら採用媒体に自分で依頼して、求人者に連絡して、面接して、入社手続きを行います
・取引先も大企業の時のように足を運んでくれず、自分で出向きます
・データをまとめてくれる部下はいません
・備品発注も自分で
ひと言でいえば、ピッチャーと内野手と外野手を一人で行うので守備範囲が格段に広いのです
同期を支店長で引き抜いたことがあります
唖然とするぐらい何もできないのです
頭は良くてもすべて人任せ・部署任せだったので「こんなことはした事が無い」が口癖になったようです
大きな組織は野球で言えば監督やコーチがいて、ナインがいて、ベンチで控えの選手もしっかりいるチーム
小さな組織は3人の野球チームのようなもので『個』の役割が格段に大きく、それを守備範囲が大きい=仕事の範囲が広い・存在意義が大きいとみるか、大変で組織のカタチが整っていないとみるかの違いは人それぞれです
守備範囲の広い小さな組織の方が機動力は優れています
なれれば自分の活躍できるフィールドが広い中小企業の方が断然面白いです
ただ、大企業は教育がしっかりしており、すぐに対応できたのも最初の会社のお陰でもあります
中小企業でも100倍の採用倍率
よく「大手企業に比べ中小企業はいい人材が採用できない」という人がいます
法政大学教授の坂本光司さんはこう述べています
『中村ブレイス』という会社があります
日本で一番過疎化が進んでいる島根県の中でも最も辺鄙な石見銀山の麓にある非常に不便なロケーションの会社です
中小企業が「業績が悪い」「いい人材が採用できない」という時には
・ロケーションが悪い
・業種が悪い
・景気が悪い
・規模が小さい
・大企業が悪い
を逃げ口上にしてくることが多いそうです
中村ブレイスは耳や鼻、指・脚・腕などの義肢装具を取り扱っている会社ですが、大都市から就職しに来る若者が多数いるそうです
北海道の帯広にある菓子・パンの小売り『柳月』も毎年大卒を40名採用しているそうですが、応募学生は4000人で倍率は100倍だそうです
小さくても、辺鄙な場所にあっても優秀な学生はたくさん来るということです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました