人口ボーナスとは言うが
歴史の時間の最初に教わるのが「大河の近くで文明は発展した」ということです
太陽の光はダダ
大地もタダ
空気もタダ
となれば、後必要なのは水になります
古代の文明発祥地は、いまだに人口が多いです
「これからの戦争は水をめぐって起こる」と言われます
島国で守りやすく、水資源も豊富な日本は恵まれています
なんせ、水資源が豊富で、水の10%ほどしか使用していないという贅沢ぶりです
「資源がない」と嘆く日本人ですが、太陽・大地・空気と並んで必要な水に恵まれているわけですから、決して未来は暗くありません
そんな日本人が未来を暗く見る最たるものが『少子化による人口減』です
人口ボーナスという言葉もある通り「人口は力」「人口は国家の体力」「人口は未来への活力」なのも確かです
かつて「人口減より人口増の方が怖い」と書いたことがありますが、人口が増え過ぎても悲惨な状況になるのは歴史が教えてくれます様々な予測の中で最も確実なのが人口分布で、日本は確実に人口減少に向かいます
人口減少によるデメリットのみが拡散していますが、メリットも考えてみたいと思います
明治の後半には「国が面倒をみれる人口は6000万人」と分析してましたが、実際はその倍の国民の面倒をみたわけですから、今度は人口減にも対応する知恵が必要になってきます
戦略的に人口を増やした日本なので、戦略的に縮むことが大切です
人口減の日本は経済成長を遂げ、中国インドが没落する
人口が減少していく日本には「未来がない」と言う人は多いですが、エコノミストのエミン・ユルマズさんは「人口減少はむしろメリットで、AIの進化で人口の多い中国やインドこそ行き詰まる!日本人がこれから資産を守り、増やすには地政学リスクとインフレを意識すべきだ」と述べていました
なんだか希望の光が見えてくる意見です
多くの日本人が人口減少社会を悲観的に捉えていますが、とりわけ生産年齢人口の減少については強い危機感があります
生産年齢人口とは15歳から64歳までの、何らかの仕事に従事しうる年齢の人口のことです
この年齢層の人口が減ることで
①頭数を必要とする仕事が回らなくなる
②個人消費が落ち込んで経済成長が期待できなくなる
③税収入が減る
④社会保障が必要な老人ばかりが増え税収入が減り、対応できなくなる
といった点を懸念する声が高まっています
ですが、これからのAI時代において人口減少は案外、悪い話ではないかもしれないようです
本格的なAI時代を迎えたら、多くの仕事がAIに置き換えられていき、世の中全体で人間がやらなければならない仕事が減っていきます
人によってはなかなか仕事にありつけないというケースも生じてきますので「仕事がなくて生活費を稼ぐことができない」という声も上がります
そういう人たちも最低限の生活を送れるようにするため、ひょっとしたらベーシック・インカムのような制度が必要になるかもしれません
AIの波は日本だけでなく世界中に広がっていき、世界中で人の手でなされる仕事の量が減っていきます
それが現実になった時、中国やインドのように莫大な人口を抱える国は、逆に不利な状況に追い込まれることが考えられます
仕事にありつけない人たちが最低限の生活を送れるようにするためにベーシック・インカムを導入すれば、莫大な財政支出が生じます
それだけの財政的な余力がないからAI化を遅らせる、あるいは導入しないという選択を取れば、生産性は大幅に落ち込み、企業収益は上がりにくくなり、そこで働いている人たちの賃金も低水準のままになってしまいます
ひいてはそれが一国のGDPの低迷にもつながります
インドは若い人口で大きく増えていくので、日本から見ると羨ましい限りですが、AI時代は「人口の多さ」が仇になり、莫大な人口を抱える中国やインドは窮地に陥る可能性があるとエミン・ユルマズさんは主張しています
日本は仕事と人口のバランスが良いかもしれない
これまでは中国やインドが、人口大国であることを笠に着て我が世の春を謳歌してきましたが、これから急速に進むAI化の流れの中でひょっとしたら人口の多さが仇になってしまうかもしれないかもしれません
逆に日本のように人口が減少していく国では、AI化によって仕事が減っていくとしても、同時に人口も減っていくので仕事の量と人口のバランスがうまく取れる可能性も考えられます
仮に仕事の量に対して人口が多く、仕事に就けない人が生じたとしても、ベーシック・インカムによる財政支出はそれほど膨らまないのが人口減国家です
積極的なAIの導入を進めることで、日本企業ひいては日本経済全体の生産性が著しく向上するともみられています
日本にとってAI化をはじめとする技術の流れは、大きなメリットをもたらす可能性があるかもしれません
「働かなくてもよい時代が来る」と予測している人も多いです
とりあえず「人口減はすべてが悪いこと」ではなさそうです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました