還暦過ぎると知性の差がハッキリ
若い世代が仕事選びをする時に
人生の長きを占める労働期間を過ごす仕事は「好きなことを仕事にしたい」はよくわかります
また、命の次に大切なのがお金なので「給料の高い業界を選びたい」のもよくわかります
最も大切なのが身体と心の健康なので「ブラック労働はヤダ!」もごもっともです
長らく採用・教育・現場の長を務めた私の経験からすると『知性を磨ける職場』は非常に重要だと思います
先日、リタイアしている人まで呼んだ忘年会をしましたが、50代以降は知性の差がハッキリします
70中盤でも教養を磨き続けている人と「政治が悪い」「社会が悪い」とぐちぐち言う人と、積み重ねてきた知性の差がきれいに色分けされます
昭和と令和では教科書の内容も違います
・「いい国つくろう鎌倉幕府」ではなく「いい箱つくろう」で1192年でなく1185年に変わっています
・リンカーンではなくリンカン
・ルーズベルトではなくローズベルト
・惑星は9個ではなく、冥王星が外れて8個
・日本最古の貨幣は『和同開珎』ではなく『富本銭』
・士農工商はなかった
・お札にもなっていて聖徳太子は「あれは聖徳太子ではない」となっています
・足利尊氏もそうです
やはり教養にアンテナを張っている人は、上書きされていく知識をキャッチしています
還暦を過ぎると知性の格差は歴然で、聞いていても会話が成立しません
知能と知性は違う
『正解のあるものを出来るだけ早く正確に導き出す能力が知能』
『正解のないものを考えていく能力が知性』
だから「人工知性」とは言いません
日本でも少子高齢化社会をテーマにした『プラン75』という映画がありましたが「増え過ぎた老人に社会保障がついて行けず、75歳で自由に安楽死できますよ」という映画ですが、これをAIという優れた知能で正解を導き出せば「子供は減り続け、寿命は延び続け老人は増えていく」という計算から「寿命は75歳までとするのが妥当」という結論になるかもしません
計算から導き出せば極めて正確な結論かもしれません
「見ていて不快な気分のなった」という感想も多い映画でした
ただこの監督は「これから大きな問題となる老人問題を議論する題材としてこの作品を世に出した」とハッキリ言っています
『知能でなく知性で結論を出してほしい』ということです
人間の社会は知性でないと解決できない問題が山積みです
知性と知性で議論を重ねて人間社会は少しづつ進歩してきました
人生終盤は知性で差がつく
これから社会に出ていく世代の仕事選びは『知性を磨ける職場』がBESTだと思います
私も支店長時代や企画職の頃は「誰でも同じ動きができて、同じ成果が出せるマニュアルの精度が理想」と言われていましたが、マニュアル通りに動いてさえいれば結果が変わらない状態の継続では知性が磨かれません
経営陣は「誰がやってもい同じ成果」の仕組みを望む場合が多いですが、結果に差が出る仕事の方が個人的にはいいと思います
相手に合わせてあの手この手を考える営業と、御用聞きレベルのルートセールスと、さばくだけの販売では、長い年月の間に知性に差が開いていきます
私の営業時代もそうですが、最も磨かれた時は『就活中の大学生との質疑応答』を連日繰り返している時でした
『誰がやっても結果が変わらない仕事』ではなく『人によって結果が変わる仕事』がしんどくても知性が磨かれていきます
自分で考える量が多い仕事の方が『工夫』が生まれます
会話する職場の人の知性レベルも大切で、最近は職場の飲み会を避ける若者も多いですが『知性を磨ける相手』であれば積極的に会話すべきです
そのような相手がいない場合は、情報民主主義の時代、良書を読むなりして考える力を磨くことが大事です
いずれ「人を指導する立場」「人に意見を求められる立場」になった時、知性の格差がよく現れます
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました