じわじわ仕事を奪うテクノロジー
「人の仕事はテクノロジーにどんどん代替えされていく」
「AIに仕事は奪われる」
頻繁に言われています
「でも国や企業はそうはいってないよね!コンサルタントや評論家の戯言じゃない?!」
ところが水面下で企業は大真面目にテクノロジー導入を考えています
悪く言えば人の仕事が奪われる
良く言えば人が大きく減った分、一人当たりの分配率は大きくなる
給料が伸ばしやすくなるということです
①売り上げを伸ばして原価を抑える
②テクノロジーに人の仕事を代替えしていき人件費を下げる
これは業績を上げるポイントです
少子高齢化・人口減少・国の財務の限界・・・マーケットの量も質も低下していく日本では縮小均衡の中での経済成長をしなければならず、今までのやり方では難しいからです
昭和の後期、駅の改札の切符切りの駅員に代わり『自動改札機』が登場し、あっという間に改札は無人となりました
切符も『切符販売機』で購入か『スイカ・パスモ』にチャージになりました
ガスや電気の検針の人もなくなり『スマートメーター』に置き換わってしまいました
水道だけは公務員なので、まだ人が使用料を調べに来ます
この人件費は水道料にのっています
様々なレジ業務も『自動レジ』に置き換わっています
目に見えない自動化・・・工場など
目に見える自動化・・・接客など
少しづつ置き換えられています
『誰がやっても結果の変わらない仕事』はほぼ自動化されていきます
まずは仕事を奪う敵を知る
私がリゾート部門に来た時は『ベットメークマシン』の導入をするか否かの検討をしている時でした
ハウスクリーニング人員をほぼカット出来ます
結局、ベット自体も変えなければならないのでコストのかかり過ぎとなって断念しました
会議に出てわかりましたが、業種は違えど私が長野県の支店長時代とほぼ同数時の売上なのに、私の支店長時代の社員数は17名で、この2つホテルはパート・派遣社員を含め144名もいます
一人当たりの分配率が低いので「宿泊業は給料が安い」というのもうなずけます
社員の知らないところで経営陣・人事は『自動化を進め、人件費を抑えていく』方向に水面下で進んでいるのは確かです
ホテル業界は自動化が遅れている業界の一つです
「給料が安いからいい人材が集まらない⇒先見の明のある人材がいなかった」と経営コンサルタントなどは分析していました
やはり給料が高いことは重要です
水面下で進んでいるテクノロジーの導入予定は
①セルフチェックインシステムという、お客様のスマートフォンや現地設置の機器を使ってセルフでチェックインを可能にするシステムがあります
これまで対面で行っていた本人確認をAI顔認証で行い、本人認証をスピーディかつ正確に完了し、 宿泊客がチェックインする流れがスムーズになります
実はこのシステム、全国に1000件以上の多くのホテルや旅館などですでに導入されています
私も出張時、スタッフに全く合わないホテルを体験しています
フロントスタッフは不要になります
②レベニューマネジメントという、顧客の需要を予測して収益を最大化するための、商品やサービスの料金を変動させる販売管理をおこなうことです
いわゆる「今は夏休みでお客様が多い」「イベントがあるから今日はお客様が多い」などを 過去のデータや直近のイベントなどを考慮し、利益を最適化するために部屋の価格等を調整してくれます
これにより管理職・専門職がカット出来ます
③接客ロボットは対人向けの接客をおこなうことを目的として作られたロボットです
どのような接客ロボットがあるかというと
Pepper for Biz(ペッパー)は、感情を認識する人型のロボットです
顔認識標準搭載により登録した人物の顔を判別し、AIの〈顔認識標準搭載〉と〈ヒューマノイド用会話プラットフォーム〉により、対面回数に応じて会話シナリオを出し分けたり、サービスを切り替えたりすることもできるので、より柔軟な接客で顧客の満足度を向上させられるという優れモノです
ペッパー君の進化版ですね
また、自社業務向けの独自会話も登録可能なので、ホテルごとの独自性をアピールでき、AIにより宿泊客がPepperとどんな会話をしているのかが、会話ログから分析でき、接客データは全て遠隔からグラフで分析ができるため、アンケート調査やクーポン配布、来店者の属性分析などにも活用できます
コミュニケーション能力が高い人型のロボットなので、宿泊客を楽しませてくれるます
Unibo(ユニボ)は〈音声認識AI〉を備え、宿泊客の問いかけに合わせてホテル館内の施設を案内したり、周辺の観光情報を伝えたりといった役割を果たしてくれます
飲食店情報サイトの〈ぐるなび〉と連携し、飲食店の案内地図などにリンクしたQRコードを表示することが出来ます
可愛い容姿とともに、卓上設置が可能なサイズなので省スペースにも設置できます
もう調理もAIで可能なのは北京オリンピックで実証済みです
これにより80%以上の人員がカットされますが、従業員の賃金分配率は大きく伸び安かった給料は大きく伸ばすことが可能です
仕事を奪う敵を知り己を知る
現在はリゾート部門にいるので宿泊業の水面下しか知りえませんが、各企業では水面下でテクノロジーの導入が考えられていると思います
「あの業界は90%の人が不要になる」
「3人に1人が失業する時代になる」
と耳に入っては来ますが、少子高齢化で労働力は減り続けるので『減り続ける労働力-テクノロジーに代替えされる仕事=0』で大失業時代にはならないと予測されています
いつの時代も不安をあおって注目を集める人はいるものです
テクノロジーの進歩は私たちの暮らしを便利で快適なものにしてくれます
ただ『仕事を奪う敵=テクノロジー』は知っておく必要があります
「接客ロボットがここまでやるのか・・・」と思うかもしれませんが、美容師のように「貴方がいい!貴方を指名したい!」という接客もあります
AIには感情が理解できないので、気の利いた会話は出来ません
「この人はこういってるけどどんな答えを求めているのか?」
「この人はどんなことで喜んでくれるのか?」
喜ばせる、笑わせる、サプライズなどはAIには無縁です
「貴方が言うなら買うわ」
「貴方といると楽しい」
「どんな私だったらお客様は満足してくれるのか?」を考え続けることは大切になってきます
敵=AIにはできないスキルを磨くことを考えることが重要です
まずは「自分の仕事にはどんなテクノロジーが入ってくるか」という情報収集=敵を知ることがポイントになり、次に対策だと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました