日本の混沌期を生きてきたシニア世代
以前、81歳で転職した女性が過去最高の収入を得たという話をしました
このHさんは中学を出て長野県から集団就職で東京へ出て働いているので65年間の労働期間になります
本人の話だと親に「口減らしの為に東京へ出てくれ」と言われたそうです
今の時代だと「ひどいことを言う親だ」と感じますが、戦後の日本では普通の会話だったそうです
上野駅まで行き、その近辺に就職します
学はないので浅草周辺でありとあらゆる販売職を経験したそうです
結婚して埼玉県に家を構え、3人の子供を育てたそうですがご主人は過労で早く他界します
その後子供さんの一人も亡くなりなかなか波乱万丈の人生のようですが、本人は「戦後の日本などそんなもの」と言います
就職観は単純明快で「生きる為に働く」「子供を養うために働く」です
得意とか、出来るとかは二の次で「募集の出ている仕事にチャレンジするしかない」時代を生きてきたようです
若い世代にない強みを再確認する
彼女の今の就職先を見つけたのは私ではありません、付き合いの長い新潟県の社長です
先日お礼かたがた、その社長に「本人はすごく大切にされていると言っていたが本当でしょうか?」と尋ねると「私も鼻っ柱の強い人だから心配で支店長のところまで行ったんですよ」とのこと
そこの支店は若い人が多く、実績もさることながら「若い世代が環境により退化してしまったスキルを多く兼ね備えている」が重宝される理由のようです
・「断られてからが営業だから」と簡単にあきらめない
・できない理由より、出来る方法を考える
・年代問わず誰とでも仲良くなれる
・数字への執念が強く、執念から工夫が生まれる
・説教や自慢話は全くせず、行動で周りが教えられる
・権利と義務がよくわかっている
・顧客の愚痴をよく聞いている
・いろいろな人間を捌いていたからパターンが染みついている
・人を説得するテンポが優れている
・いつも機嫌がいい
・お客の方しか見ていない
・新人とも同じ目の高さに立てる
「想像以上に評価されていてビックリしました」とのこと
若いスタッフにコミニュケーションについて聞かれ「良く天気の話題とか話す人がいるけどあれは三流!相手が弱み=悩み・愚痴・困り事など話してくるまで心の距離を詰めることが大切」などアドバイスしているようです
シニアで自慢話が好きな人もいますが、大概は無言で抵抗されます
説教や自慢話は若手の成長を阻害します
『誰がやっても同じ結果の仕事』ではないので若いスタッフも『結果を出す人の行動』はよく見ているそうです
老いるとはチャレンジしなくなること
Hさんはまだテニスをしています
「同世代が皆やめてしまって、自分よりかなり若い世代を相手するからきついのよ!だから逆に上達はしてる」と言います
老いるとは『チャレンジを止める』『成長を諦める』ことのようです
若くてもチャレンジも成長も諦めている人はいます
米国でも高収入をあげている営業マンに70代が多いといいますが、彼女の場合はそれより一回り上です
活躍するシニアは若い世代に対して『説教する言葉』は持ち合わせず『育つ言葉』を多く備えています
言葉でなく、行動を見ていればそれがマニュアルになっています
「なぜ、皆『日本は落ちぶれている』と言うんだろう?こんなにいい国になったのに」と見えている景色が明るいようです
若い世代には『人によって結果の違う仕事』を選択して欲しいと思います
一人前になるのは遅いかもしれませんが、長く続けるほどスキルも人間力も増していき重宝される可能性が高いからです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました