集団行動か単独行動か
〈労働観〉〈社会参加〉〈キャリアの構築〉などの考え方は過渡期に来ていると思います
前回は「社会に適合してない人は約9割」「自分だけが・・・と悩む必要は無い」「適した環境なら大輪の花を咲かせることができる」と書きました
新卒で入社した会社で同じ大学からもう一人同期入社のS君がいました
私よりも頭脳は明晰でした
「雇われる生き方は合わない!就職は気が進まないが親が『とにかく大企業に入ったから考えろ』と一歩も譲らないのでとりあえずは入社する」と言っていたのを覚えています
当時は「いい学校に行って、大企業に入るのが正しい」という親は多かったです
S君はなんと3か月で池袋支店を辞めました
意外に同年代を見ても「組織で働くのはヤダ」と就職しなかった人は多かったです
平成初期はバッシングされましたが、令和の現在は「自由度が高い生き方」「時間が豊富な生き方」に価値観が移ってきています
動物でも〈集団で行動する動物〉と〈単独で行動する動物〉がいます
同じネコ科でもライオンは集団・虎は単独です
「人の指示で動いた方が生きやすい」
「単独で動く方が生きやすい」
賢い人は「NO2のポジションがベスト」という人もいます
生存環境は人によって違う
最初から組織に属さない生き方をする人もいれば、途中から属すのを止める人もいます
私の上長も早期退職募集の時に名乗りをあげました
まだ40代前半です
優秀な人だったので「引き抜きですか?」と問うと「組織行動に合わないんだよ『黒を白と言えないし』『(スターウォーズの)ストームトルーパーなら超劣等生』だから」と答えます
支店長会議でも「あいつはほんとにひと言多い」と言われてましたが、その一言は非常に核心をついた真実でした
優秀だけど組織には不都合という人は多いです
「問答無用で全国転勤など人の生き方ではない」
「実績を作っても来期の予算はさらに上がる」と早期退職した人は多かったです
何人かの早期退職仲間と多額な早期退職金で株式投資を始めましたが、リーマンショックも乗り越え順調なようです
「経営者は従業員を働かせ利益を得て、投資家はその経営者から利益を得ている」とよく言っていました
当時の日本は「あんなの(投資家)は正しい生き方ではない」という人が多かったです
投資家の方々は聞く耳をもちませんが・・・
株式のパワーを知ると労働はばかばかしくなります
集団で動く動物と、単独で動く動物があるように、人間も〈集団で動くのに適した人〉と〈単独で動くのに適した人〉がいます
日本人は8割が従業員として会社組織で動いていますが、その中の多くが単独行動に適しているような気がします
営業が合う人合わない人
事務が合う人合わない人
企画が合う人合わない人
製造が合う人合わない人
管理が合う人合わない人
組織が合う人合わない人
営業でつぶれる寸前だった先輩がシステム企画部で不死鳥のように蘇ったのも見てきました
「努力で何でも乗り越える」という考え方は捨て「生存環境を第一に考える」に切り替えた方がいいと思います
多才でない方がむしろいい
資本家2割・労働者8割
江戸時代は農民が85%
現代日本は従業員8割
江戸時代の農民の年貢とサラリーマンの国に搾取されるお金は同程度
と考えると奴隷制のない現代ではこれがバランスのいい社会なのかもしれません
でも幸せを問うと正しいとも言えません
組織の中で働くのであれば〈仕事〉〈人間関係〉〈時間〉社員群によっては〈勤務地〉などは選べません
「安定か自由か」が論点のような気がします
これからは今までの大企業の総合職のように「なんでもこなせる人」より「一つの才能を深堀した人」の時代になると思っています
絵本作家の木村裕一さんは
これしか出来ないというやつしか残らない
何でもできるやつは最後まで残らない
アンバランスな方が残っていく
と言います
作家の伊藤整さんも
私は他人ができることはまるでできませんが
自分にしかできないことがごく少しあり
そこには才能があるようです
そしてそれで生きてます
私達を救ってくれるのは他人と異なる才能です
多芸多才とは若い時にのみ自慢できる能力です
と言います
「好きなことで生きる」「人に支配されずに生きる」「時間が自由」などがこれからの豊かさになってくるのだと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました