脳の使い方に関心をもつ
わずかの期間の間にAIは「こんなことも出来るようになったの?」という進化を遂げます
人間の頼もしいパートナーであると共に、仕事を奪う存在でもあります
AIに奪われる仕事以上に、新しく生まれる仕事の方が多いので『変化に対応する意志』さえあれば、仕事は常にあります
生成AIが台頭した現代において、人間はどのような「価値」のある存在を目指すべきなのでしょうか?
先端技術の社会実装支援を行う投資・コンサルティング会社を経営する安川新一郎さんが『脳の仕組みと脳を鍛える方法』について述べており、参考になりました
脳を適切に使うために重要なのは、脳の仕組みを理解し、老化を防いで鍛えることです
そのカギになるのは私たちの「脳の使い方」だと言います
今までは人の手足の代わりだったマシンが、人の脳の働きを代わってしてくれる時代になりますから人と脳の使い方に関心を持つことは極めて重要だと思います
脳は毎年0.5~1%程度縮んでいる
ストレスに立ち向かい困難に前向きに対処するには集中力が必要で、集中力について理解するには、脳の「報酬系」の仕組みを理解する必要があります
理解のカギになるのは脳の側坐核から放出されるドーパミンで、ともすればエネルギー消費を避け怠惰になりがちな私たちの意識を、外部環境に向けて行動させるための神経伝達物質です
ドーパミンが出ると、その瞬間は多幸感で満たされるため「快楽物質」と捉えられていますが、正確には人間に行動を起こす動機を与える「期待物質」だそうです
デート当日よりもデートを企画しているとき、マイホームを手に入れた後よりも、マイホームについて思いを巡らせているときにドーパミンは分泌されます
ギャンブルが止められず賭け金が高額になっていくのも、一度得た快楽は脳にとって想定内となって、新たな期待に向けたドーパミンは賭け金を上げていかない限り分泌されなくなるからだそうです
ギャンブル依存症などは思うより恐ろしい病気というのもうなずけます
ドーパミンは抽象的思考や論理的思考を担当し脳の司令塔として集中力をコントロールする前頭前皮質にも良い影響を与える効果があります
このドーパミンは有酸素運動によって分泌量が増えることが明らかになっており、運動を終えた数分後に分泌量が上がり、数時間その状態が続くとされています
最初は嫌だったジョギングやジムでの有酸素運動も、やり終えると爽快な気持ちに感じます
その後の仕事も普段より集中して行えた記憶もあるかもしれませんが、それらはドーパミンのおかげのようです
恐らく狩猟採集民族として、獲物を追って走っているときこそ全集中力を発揮して、地理的な状況や獲物の動きを推測し、適切な判断をすることが切実に求められていたからだと安川さんは語っています
脳は毎年0.5~1%程度縮んでおり、 脳の大きさは25歳頃がピークで、脳細胞は毎日10万個ずつ失われていると聞くと「何か対策を打たねば!」と思いますよね
運動をすれば脳細胞を新生させられることが明らかになっており、 アメリカの研究チームによると、心拍数が上がる持久力系の運動を1年行ったグループは海馬のニューロンが新生し、サイズが2%大きくなっていたそうで、やはり『脳には運動』といえそうです
挫折しやすい運動の習慣
そもそもスポーツは競技を楽しむのが面白いのであって、競技の為の身体を創るランニングや筋トレはただ辛いだけです
「筋トレは開始から1年以内に94%の人が挫折する」と言われています
大人は言い訳の天才なので、出来ない理由をポンポン出してきます
時間がないという人に「20秒全力で動いて10秒休むを8セットやるHIITなら4分で終わりますよ」といってもこれもまたすぐにやめてしまいます
いいことでも辛いことは継続が困難です
『継続だけが力なり』とは全くの真理だと思います
筋トレを長く続けている人も「何キロ上げるだとか、何種目やったとかを自慢話にしないでください!何年続けているを自慢話にしてください」と言っていたのもうなずけます
筋トレを継続できない理由は大きく分けて2つあるそうです
1つは行動を起こすエネルギーとなるモチベーションの問題で「周りがやってるから何となく、やってみようかな」といった程度の弱いモチベーションでは、継続のエネルギー源としては足りないようです
勝ちを味わう、新しい技術を獲得するという「ご褒美」に当たるものが筋トレにはほとんどなく、最大のご褒美である、痩せる・引き締まるという体の変化を実感するまでにはかなり時間がかかります
筋トレの一次的効果は、筋持久力の向上・筋肥大・筋力の向上
二次的に、体脂肪の減少・生活習慣病のリスク低減・日常生活の疲労軽減といった、健康上や美容上の有益な効果を得られます
いずれも効果が明確に現れるまでには数カ月は要しますから、小さな変化を実感しながら継続するしかありません
2つめは日常生活と筋トレとのギャップが大きいことで、トレーニング刺激が過度な疲労を招き、筋肉や関節の炎症が蓄積してケガをしやすくなります
過度な刺激は心のストレスともなり、意欲を低下させてしまうことにもなります
最初の1カ月は週3~4回と足しげく通って、さまざまな種目に熱心に取り組むのですが、翌月には週2回、翌々月には週1回となり、半年以内に退会してしまう方が大半のようです
少しずつ時間や回数を増やすことが肝心で、頑張り過ぎず緩やかに取り入れることがポイントです
脳の活性化には運動が外せませんので『自分なりの持続可能な運動習慣』を作ることが、ミドルやシニアには求められていきそうです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました