幸福を感じることができない状態
前回は『幸福』について考えましたが、今回は不幸に視点を当ててみたいと思います
人の力ではどうすることも出来ない〈自然災害〉〈経済の急な低迷〉〈予期せぬ病気〉などの突発的不幸ではなく、日々の生活の積み重ねから招いた不幸について考えていきます
新型コロナのように〈外からくる不幸〉ではなく〈内からくる不幸〉です
内からくる不幸なら自分の力で解決できる可能性があります
ちなみに『幸福』の反対語は『冥福』=あの世の幸せだそうです
正しい言い方は「幸福でない状態」「幸福感を感じない精神状態」の原因を考えてみたいと思います
働いているうちは『生活の中心に仕事がある』という人が多いと思います
その中心にある仕事ですが『84%の人が働きたくないと思ったことがある』と10代~50代の働く男女を対象とした統計データがあるそうです
仕事に対して強いストレスを感じたことがある人は58%
このストレスはほっておくと非常に危険でメンタルに支障がでてきたりします
そうすると幸福を感じづらくなります
日本人は「俺の心が弱いからだ」と考えがちですが『脳の機能が低下することにより発症している』ので原因は脳にあり、精神力でどうなる問題ではありません
思考を見直そう
自分を苦しめる思考に『かくあるべき思考』というものがあります
・義務教育が終わっても高校は行くべき
・学校を卒業したら就職して働くべき
・自分のことより会社の都合を優先
・会社は休むべきではない
・仕事は全力で取り組むべき
・目標数字は達成しなければならない
・与えられた仕事から逃げてはならない
・定年までは務めるべき
かくあるべき思考は頭脳が柔軟で拘らない人もいますが、日本人の場合はこの思考が強く、ストレスの根源になってる人が多いです
思考を硬直化して、自らを縛り上げている状態です
企業は企業の都合にいい考え方を摺り込んできます
名著『ファクトフルネス』でも『人には分断本能がある』と述べていましたが「先進国と後進国」「白人・黒人・黄色人種」など、人は分断する癖があるようです
道は一つではない
分断本能と関連して『二分割思考』があります
・白か黒か
・善と悪
・成功と失敗
二者択一のどちらかで判断する極端な考え方
これは「道は一つしかない」という状態に追い込みます
ドラマなどでも善悪をハッキリさせたストーリーが好まれます
報道でも「ウクライナは善・ロシアは悪」とした方が観る方は疲れません
1つの極は陰陽2方向に進むので『道は一つ』という考え方には無理があります
『かくあるべき思考』や『二分割思考』は幸福感を希薄にします
担当している産業医の先生はメンタル不調の方を多く見ているせいか「とっとと逃げればいいのに」が口癖です
中国古典でも戦う能力で最も重要なのは『逃げ足の早さ』とも書かれていました
逃げるというと抵抗のある言い方かもしれませんが「道を変える」ということだと思います
内なる不幸はこのような思考のクセから来ているように思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました