生き延びるために学習する
本能・欲求は生きる上で必要なものです
自分を守る守備本能
狩猟や敵を倒す攻撃本能は動物は皆備わっています
人は本能に「知りたい欲求」があります
生き延びるために自然界の法則を学習する必要があるからです
痛い目に合うと特に深く刻まれていきます
人だけでなくチンパンジーもヘビを嫌いますが、毒蛇で命を落とした学習がDNAまで深く刻まれたせいだと言われています
習得本能は人間のみ大きく発達し、地球上の支配者となりました
腕力の強さより知性が圧倒的に重要だということです
守備本能・攻撃本能が有形なものが目的になっているのに対して、習得本能・伝達本能は無形本能と呼ばれています
知るという行為はカタチに表すことができません
人間が何かを学び習得したものを後世に伝達していきます
習得本能と同時に「話したい・伝えたい・記録したい」という伝達本能もあります
習得本能が『入れる頭』なら伝達本能は『出す頭』です
ものすごい知識を有する大学教授でも『出す頭』はイマイチで、講義がつまらなく生徒に伝わりにくい人もいたりします
習得環境に恵まれた現代
現代は「18世紀の人たちが一生を掛けて知りえる知識量を2週間で知ることができる」と言われるほど習得環境は整っています
「この大学は君の家柄では受けることができない」も今はありません
誰でも東京大学を目指せます
古代は口伝しかなく、印刷技術で本ができ、ラジオ・テレビ・インターネット・スマホなど習得環境は年々良くなっていきます
知恵というものは一代で形成できるものでなく、先人が苦労して習得したものを蓄積し、伝達して『非常に安易に安価に学べる』のが現代です
「もう学ぶものなんてない」と思うと急速に老化していくようです
習得欲求は極めて重要な欲求です
池上彰さんのお父様は余命宣告をした時「広辞苑を買ってきてくれ!まだ知らないことが多くある」と言ったそうです
亡くなる直前まで習得本能は続きます
学ぶのは学生の間だけ・・・ではなく、生涯学習期なのです
自分で考える力を養う
人間の脳は10歳でおおよそが作られ、20歳前後までの学習でスペックがほぼ決まります
義務教育期間はとにかく「いいから勉強しろ」で良いと思います
計算したり、文書の読解したり、図形を解いたり、絵を描いたり、球技をしたり、楽器を弾いたり、様々なカタチで脳を鍛えるのが20歳前後までは重要です
師と弟子の関係は『問答無用』といいますが「なぜこんなことを学ぶのですか?」などのやり取りは無用ということです
この期間に鍛えてあるから『社会での経験学習』『読書でのインプット』『社会人途中での学び直し』などに対応できます
鍛え方が足りないと起きた問題に対し「国が悪い」「会社が悪い」「上司が悪い」などの原因他人論になってしまいます
「その時どう動く」という思考スイッチが稼働するか否かは脳の鍛え方次第です
守備本能・攻撃本能だけなら他の動物にでもあり『学び伝える』は人間だけが他の動物とはけた違いに多く与えられた高尚な本能だと思います
「知っている」「知らない」は人生全体では大きな損得を生みます
私達は非常に恵まれた学習環境にあり、生涯学び続けるのが基本的に身についた本能の動物のようです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました