「自分のやりたいこと」はこれから探す
新卒で社会に出る人はいよいよカウントダウンですね
入社手続きを行う人事担当者や教育研修担当者は準備に追われる頃です
新入社員の研修を長年やっていると、年々伝えたいことが多くなりますが、本日は絞って私なりに知っておいてほしいことを書き綴ってみます
あくまでも個人的なものです
1.世界は少しづつ良くなっている
報道やSNSなどを見ていると「世界はどんどん悪くなっている」ように感じる人もいるかもしれませんが、実際は世界はどんどん良くなっています
飛行機が無事に米国についたなどはニュースになりませんが堕ちればニュースになります
報道は基本的に不幸な事故・事件を発信します
ニュース番組を見続けると「世界はどんどん悪くなっている」ように感じてしまいますが錯覚です
SNSでも「日本は終わり」「この業界はオワコン」などと発信する人が多いですが、基本的に人間は過去を美化して未来を不安視する生き物です
「これから悪いことが起こるかもしれない」という防衛本能をもっています
マイナスな未来予測など、悲観的な意見を過度に受け入れない方がいいです
2. 若いうちは『自分探しの旅』
長時間の勉強・長時間労働が美徳となる日本ですが、しっかり自分時間を確保することが重要です
今まで生きてきた年数では『自分の才能』『自分のやりたいこと』が把握しきれません
教育・研修責任者としてハッキリ言いますが『企業はその企業にとって都合のいい考え方・知識・スキルを摺り込んでくる』ということです
相撲をするなら相撲に適した育成方法、サッカーをするならサッカーに適した育成方法を強いてくるのは至極当たり前のことです
20年前後の人生では世界がまだまだ分かりません
「自分は何をしたいのか?」「自分はどんな才能があるのか?」それを探すことが若年期の最も大事なことです
「自分はまだまだ知らないことが多すぎる未熟な人間」という自覚をいい意味で持つことが大切です
ワンダフル=wonderfulの「Wonder」は「知らないこと」「理解できていないこと」「不思議」という意味でFulは「たくさんある」「満ちている」なので『知るべきことがたくさんある』=素晴らしいことという意味が潜んでいる言葉です
自ら仕事を好きになること
3.意味の意味のない仕事はない
実際に働きだすと「うちの部署はエリートで、あの部署はイマイチの奴が行くところだ」とか「あんな仕事よくするよね」とか分類する人がいます
必要のない仕事はありません、その仕事は必要がないという考え方があるだけです
意味のない仕事はありません、その仕事は意味がないという考え方があるだけだということを理解しておいてください
人には『分断本能』というものがあり、職種だけではなく、人種・学歴・出身地あらゆるもので線を引こうとする癖があります
4.好きは仕事にできない
「旅行が好きだから旅行会社に就職」ではなく「旅行が好きなら休みの多い会社を選ぶ」が正しい姿勢だと思います
「好きを仕事にする」より「縁あった会社で与えられた仕事を好きになる」という姿勢が正しいと思います
松下幸之助さんの言う通り「君に会う仕事はない!君が仕事を好きになるのだ!」なのです
好きになれば夢中になれます
努力は夢中には勝てません
好きになればしめたものです
あえて努力をするとすれば『仕事を好きになること』だと思います
適者生存・生き残る条件とは
5.適者生存
適者生存・・・生物は、環境に最も適したものが生き残り、適していないものは滅びるという イギリスの哲学者・社会学者ハーバード=スペンサーによって提唱された生物進化論です
地上で最強の動物は虎だが虎は絶滅の危機に瀕している
ウサギは弱い動物だが世界中で繁殖し増えている
ウサギは強いから生き延びるのではなく環境に適しているから生き延びて数が増えているということです
この自然の法則は人間の社会でも同じです
虎と同じ種族でも猫は世界中で増えています
日本オオカミは絶滅しましたが犬は同じく世界中で増えています
これはのちに地球上で最も繁栄した人間と共存できたからです
犬は番犬として活躍し人が安心して寝ることができました 原始時代の人間が他の動物から襲われずに安心して寝ることができたのは犬のお陰です
猫は米蔵などの食料をネズミから守ってくれました どちらも人間の生活に役立つことから大切にされてきました
現代は 番犬としてやネズミの害から守ってくれるとしてでなく愛玩動物としての要素が大きくなりました
この2種は人間から見て可愛いのです
虎と猫 狼と犬 滅びかけているものと栄えているものの差は何か・・・
人間にとって 扱いやすい 役に立つ 可愛い からではないでしょうか・・・
これは会社組織でも同じような気がします
業績が良くて役に立つが扱いにくいし性格が可愛くない・・・3項目中1項目のみ〇で適存率33%だということです
6.入れる頭から出す頭へ
学生の頃は『入れる頭』が評価されました
授業で知識を頭に入れて、どのぐらい頭に入ったかテストされて、多く入れた人が評価される世界でした
社会に出ると『出す頭』が評価されます
「知識はたくさん詰まっているけれど、それを人に伝えることが苦手」ではダメだということです
最初は苦手でも経験と共に伝達能力は伸びていきます
また知能と知性は違います
知能は敵るだけ短時間で正解を解く力のこと
知性は正解がない問題を頑張って最適な解を探す力のことです
学校と違い、社会では正解のない問題に出会うことが多いです
正解のない問題を頑張って考えて、人に頑張って伝える能力を養っていくことが重要です
「誰かこの問題を何とかしてくれないかな」が発生した時、一番なんとかしてくれた人を組織は評価します
今まで新入社員教育を担当してきて感じたことを2回に分けて書き綴っていきたいと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました