働いて働いて老人になっても働いて

雇用と寿命の関係
自民党と日本維新の会による社会保障制度改革で「高齢者」の定義を75歳以上に引き上げ、人手不足解消に役立てようという政策が進行しています
近年「年金定期便」をみると65歳からだといくら、70歳だといくら、75歳だといくらという3段階が記載されていて、75歳からだと本当にお得です
60歳から可能ですが、そちらはなぜか記載していません
雇用は平均寿命と関係が深くあります
終身雇用は大正時代末期から昭和初期に原型が創られて、二次産業が伸びてくると特に工場で働く熟練工はより給料の高い職場へ転職していたといいます
熟練工がいなくなると効率が著しく落ち込むため、終身雇用&年功序列で囲い込むようになったのが始まりです
大正時代の男性の平均寿命は42歳ですから特に定年制度も必要ありませんでした
戦後は食糧問題や医療が進んでくると男性も60歳以上まで生きるようになり、日本の定年退職年齢は55歳から始まり、1980年代以降60歳が一般化し、近年は65歳や70歳への雇用延長が進んでいます
7割の企業が60歳定年ですが、雇用義務は65歳までとなっています

男性も80歳を越えて来てますので70歳まで何らかのカタチで雇用がスタンダードだと思います
若い社員も「60歳で辞めたいからNISAを頑張ってる」といいますが、昭和入社の大半が若い時代に「老後の為に株式投資をする」などと言う頭はありませんでした
現在は70歳も半分は働いています

今後、労働力不足はますます深刻になるといいますが、不足しているのは『安い労働力』であり『シニアの雇用期間を延ばしてこれに補充する』と国は考えていると思います
あの手この手で75歳まで働かせる社会になってくると予測できます

重要なのは健康寿命
「年金は75歳がもっともお得」といっても、今の健康体がいつまで続くかを考えなければなりません
男性で健康寿命と平均寿命には8.5歳ほどの開きがあります
健康寿命の平均は72.5歳ほどなので70歳までの労働が妥当といえます

もちろん平均寿命と共に健康寿命も延びてはいますが「年金は75歳から」という決断はなかなかリスクがあります
先進国で70歳まで働く人が半数以上いる国は日本だけで、経済的理由もあると思いますが「まだまだ社会の役に立ちたい」「働けるうちは働きたい」という日本人特有の勤勉意識もあると思います
とはいえ1/4の男性は90歳を越え、女性の半分は90歳を越えているのも現実です

「90歳代まで生きるなら年金は75歳からが妥当だ!」となりますが、自分の寿命はわかりません
60代で「俺は鉄の胃袋だ!」と豪語していた方が、飲み過ぎで身体を壊し70代前半でなくなりました
体力に自信があってもランニング中に急に倒れて急速に衰えたり、転倒したことにより寝たきりになったり、未来のことはわかりません

氷河期世代は70過ぎても働くのではないか
「70歳の人まで働かせるなんて可哀そうだ」というかもしれませんが、職場に70代がいたら話を聞いてみてください
下図のように職場でメインとなって働いている25歳~50歳の仕事の満足度が低いのに、70代は仕事に対する満足度が一番高いです
話しを聞けば「まだまだ世の中の役に立てる」「働く仲間がいる」「仕事があるのはありがたい」という返答が多いと思います
「70代で働かされて可哀そう」は若い世代の偏見で、本人たちはどの世代よりも幸福です

下図のように2040年は労働人口が110万人不足しますが、現実に足りないのは安い労働力です
もちろんマシンやAIでカバーはしますが、ここの部分は外国人でなくシニアの労働力でカバーしていくと思います
すでにタクシー運転手の定年は80歳になりました

本来年金は働けなくなる健康寿命と生命としての機能が止まる肉体の寿命の期間を埋めるものなので、健康なうちは働いてほしいのが社会の願いですが求人が国によりまちまちです
お隣の中国や韓国のように若者でさえ半分近く失業している国もあり、そうなるとシニア世代の雇用どころではありません
我が国は労働力不足なので60歳以上でも選ばなければ仕事は多くあります
下図のように団塊ジュニア世代は就職氷河期に社会に出たため
①非正規雇用が多く結婚できなかった
②連動して子供が持てず自分たちを支える世代がいない
③非正規雇用期間が長かったため年金の平均は8.6万円
となり75歳まで働くのは必須の世代になりますが、日本は幸運にも人手不足で70代の求人も多くあります

「世界一の長寿の国」は連動して「世界一労働期間が長い国」になるのはごく自然です
今は株をコツコツ長期間続けていれば早くに労働から解放されるし、社会貢献したければ70歳でも働けるという選択肢の広い国になっています
若い世代の「老人になっても働かされるなんて・・・」という見方は少し違うようです
帝国主義時代の欧米列強は植民地の人間に働かせていましたが、大日本帝国は植民地の人達と共に汗を流し働いてきましたので、欧米人が「早く労働から解放されたい」と考えるのに対して「社会に貢献できるうちは働きたい」と考える日本人は多いです
故に団塊ジュニア世代以降は「年金70歳にする?75歳にする?80歳にする?」となっていきそうです
『60・20社会』=労働期間60年&企業の寿命は20年になるという予測は極めて的を得ていると思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました





