たしかに仕事は人生の大半を占めるが
新婚の後輩の夫婦と会食をした時のこと
奥さんの方が
「この人今の仕事辞めたいとばかり言う」
「『じゃあ何が本当にやりたいの?』と聞くと『レーサーになりたかった』など非現実的なことばかり言う」
とぼやいていました
理想の仕事とは「好きなことをやること」という意識は、就活中の学生にとどまらず、シニアのキャリアカウンセリングでもよく口にされたりします
確かに『努力は夢中に勝てない』のは事実です
好きなことは夢中になれます
そして『人生で最も長いのは労働期』です
最も自分の人生のシェアを占める時間を〈辛い〉〈好きでない〉ものに費やしたくないという考え方が「仕事は好きなことをやるのが理想」と思わせるようです
プロスポーツ選手やミュージシャンなど〈好きを仕事にしている〉故に〈夢中になれる〉人もいますが、少数派です
そもそも『好きな仕事を探す』にとらわれ過ぎている人が多いと感じます
人の欲求と考え方は変化していく
仕事への意識の流れを〈マズローの欲求段階説〉で考えるとわかりやすいです
最初は『生きるために仕事で収入を得なければならない』という考え方のシェアが大きいです
仕事が見つかると〈人間関係〉に目が行きます』
『自分は集団に溶けこめているか』
『必要とされているか』
などを考えるようになります
最後に来るのが〈自己実現の欲求〉で『これは本当にやりたい仕事なのだろうか』と考えたりします
意識が変われば、悩みの次元も変化していきます
私は社会に出て一番最初の仕事は〈新卒採用業務〉の仕事でした
「商品本部はヒット商品を創る、営業本部は大切な収益を作り出す、君たち採用は会社の未来を創る元となる〈人材を創る仕事〉だ!」
という考え方が発火点になりました
とはいえ、採用数未達成で全員営業に出されました
まだまだ〈昭和入社のパワーマネジメント〉の世代が管理職にたくさんいた時代です
数字ができなければ〈叱咤され〉〈無視され〉朝礼では実績のグラフを指さされ〈ほめたたえられる人〉〈一撃食らう人〉の『勝てば官軍の世界』でした
それでも
「辛抱せいよ・・・逃げることは簡単だけど、留まることは忍耐力がいる」
「1年は冬から始まるだろ?社会人も冬から始まるものだ!いつまでも冬ではない」
などフォローも多かったので「社会人は思ったより辛くない」と感じていました
営業数字が上がってくれば俄然仕事は明るくなります
『居場所ができた』
『必要とされている』
で意識も変わっていきます
「俺の実績が支店を支えている」
「助けてもらった分、後輩育成もしよう」
次の段階の考え方が発火点になっていきます
『仕事に対する考え方』は最も重要です
〈使命感〉だったり、やがては〈哲学〉になったりしていきます
最も重要なのは「考え方」
考え方は重要で
「俺たちは会社の歯車だ」
「お金をもらうんだから仕事なんて辛いものだ」
「会社に時間を奪われ、国に税金を搾取されて終わるのが人生だ」
と考えれば〈仕事の価値〉は薄っぺらになります
福島正信さんの言う通り
つまらない仕事はありません
仕事をつまらなくする考え方があるだけです
意味のない仕事はありません
意味のない仕事にする考え方があるだけです
〈仕事は考え方次第〉なのです
「〇〇を世に出したい」という会社が出来
商品を開発する部署ができ
商品を製造する部署ができ
商品を管理する部署ができ
商品を売る部署ができ
売り方を企画する部署ができ
マーケッティングする部署ができ
社員を管理・サポートする部署ができ
その為に〈求人〉〈採用〉〈教育〉が発生します
まずは仕事ありき、次に求人なのです
大学時代、OB訪問で「社会人に重要なことは何ですか?」と聞くと大概のOBの方はありきたりの言葉でしたが、一人「それは仕事を好きになる才能だ」と言った方がいました
考え方の積み重ねで、人の哲学も違ってくるようです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました