人手不足倒産が過去最高
今年は梅雨がなく6月から猛暑日が続き「過去最高気温を更新」と報道されましたが、これからは最高気温の記録が毎年更新されそうです
もう一つ嬉しくないこれから続く過去最高の記録更新で『人手不足倒産』があり、今年も前年同月比で過去最高でした
帝国データバンクのよると、人手不足によって事業継続の断念に追い込まれるケースは一層深刻化しており、2024年に従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とする人手不足倒産は累計で342件が発生し、2年連続で大幅に更新したようです

人手不足を感じている企業の割合は52.6%となり、新型コロナウイルスの感染が拡大したことで一時的に緩和された2020年以降は急上昇し、高止まりが続いています
また人口のボリュームゾーンである「団塊の世代」のほとんどが75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」に代表されるように労働者の高齢化も深刻で、今後もマンパワーの拡大は期待しにくいことから、人手不足による倒産は今後も高水準で推移すると予想されるています
「年金支給は75歳からがとてもお得!みなさん75歳まで働きましょう!」という掛け声をかけてはいますが、75歳まで働いている人はまだ半分に満たないです
男性の平均寿命81歳を考えれば当然ですが、これでも日本は世界一高齢者が働いている国です

就職氷河期から採用氷河期へ
2024年の人手不足倒産は累計342件に達し、前年の260件から約1.3倍と大幅に増加し、2年連続で過去最多を更新
業種別では、建設業が99件(前年比+8件)で最も多く、物流業も46件(同+7件)と高水準です
他にも労働集約型の産業である飲食店(16件、同+7件)や美容室やネイルサロンなどの美容業(9件、同+5件)、労働者派遣業(8件、同+5件)、警備業(6件、同+5件)なども急増した 業種です
これが進むと採用責任者は営業マンより過酷なノルマを背負わされます
皆さんの周りでも、人が抜けていき1人の人に仕事が集中している部署や、人がいなくて手が付けられていない仕事はないでしょうか?
倒産には至っていないものの、修羅場と化している職場は増えていきます
採用担当者に「早く人を採用して!」とせがみますが、そもそも誰でも採用すればいいというものではありません
資格が必要なもの、ある程度の実務経験が必要なもの、若くないとできない仕事などなど様々な採用条件があります
「うちは人物本位だから学校名は一切関係ございません」と言いながら企業はちゃっかりフィルターを掛けます
人手不足でも譲れない採用条件はあります
就職氷河期から一転、今度は企業が採用氷河期になっていきます

古い仕事観は取り払うべき
人手不足はAIやマシンの力を借りて対応していくのがセオリーですが、X世代に多いのが「この仕事はAIやマシンには無理」という頭の中のフレームです
「フレンチ料理はAIやマシンには無理!特に見た目の美しさは人でないと不可能!」と強調する副料理長がいましたが、もうすでに人の能力を超えた調理マシンは存在します
Z世代になると「こんなマシンあったらいいのに!」と楽しい想像力があります
この問題は組織間格差があり
・人手不足になることに気が付いていない組織
・人手不足になることに気が付き採用対策をしている組織
・人手不足をAIやマシンで対応しようとしている組織
・すでに2040年問題に完璧に対応している組織
とわかれています
最近のテレビCMは物を売るためのCMより、企業のネームバリューを上げるCMの方が多くなりつつあります
親に、友人に、恋人に「ほら俺の就職する会社だよ!」といえるのはポイントが高いです
戦後は農業などの1次産業の労働力を2次産業に廻すべく『農業の機械化』が進みました
ほとんど1次産業だった日本も高度成長期に入ると、どんどん2次産業、そして3次産業へ人がうつっていきます

人の必要な産業へ労働力を移動するのは国家発展の基本ですが「必要なのに人が採用できない業種」も出てきます
介護などがその典型で給与を上げなければなりませんが、粗利が低いのです
売上は客層が重要なポイントで、高齢者は年金生活者が多く、客単価が高く設定できません
粗利をいかにして上げ、給料を上げるかは重要になってきます
今でこれだけ人手不足なので、110万人不足する2040年までにどれだけ構造改革できるかが課題となりそうです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました