労働期間延長&役職定年時代
年金制度が破綻することはありませんが、受給年齢はどんどん後になることと、受給金額は減るので「もう年金だけでは生活できない」という時代になってきます
少子化で若者が減り続けているのももちろんありますが、長寿化も大きな要因です
子供がどんどん減るのは寂しいですが、長寿は皆が望んだことです
年金は人口ボリュームゾーンの団塊ジュニア世代が高齢者となるころには70歳支給になり、支給額的に70代でも働く人は増えるでしょう
ただ「週三日の勤務」「1日4時間労働」「ネットで稼いでる」などが多く、フル勤務で正社員並みの労働などは少数だと思います
そもそも昭和と令和では同年代でも若さが違います
サザエさんの波平さんは定年目前の54歳の設定ですが、昭和の50代はあんなイメージです
令和は大きく違い、木村拓哉53歳・福山雅治56歳・西島秀俊55歳・竹野内豊54歳であり、周りを見渡してもまだまだ現役の働き盛りです
65歳を見ても昭和よりは10歳15歳若いです
昭和の65歳を働かせるのは酷でも、令和は酷には見えません
もはや60代は老後ではないと思います

長くなった労働期間の問題
昭和の企業組織は年功序列と終身雇用で55歳まで給料と役職が上がり続ける構造でしたが『昭和の55歳定年モデル』では企業は維持できず、55歳で役職定年、60歳からは新入社員並みの給料で働くことになります
「若い世代へ役職は譲るべき」は頭では理解できても腹落ちさせるのはなかなか苦痛です
昭和なら部長のまま終わっても、よほど「新卒採用は全くしていない」「万年人手不足」の企業でもない限り『肩書がなく働く期間が20年』となります
ここの期間が昭和の時代には無かった苦悩と言えます
ただ、まだまだ働く世代はこの辺のことを飲み込んで生きる必要があります
慶應義塾大学の研究によると、定年退職後もなんらかの形で働き続けている人は、脳卒中や心筋梗塞などの深刻な病気にかかるリスクが低く、健康を維持している人が多いそうです
さらに、働き続けることで体の機能が維持され、結果として寿命が長くなると言われています
『肩書がなくなったときどう生きるか』を早いうちから考えておくことがこれからの時代は必要になってきます
定年や役職定年を迎えてからあわてて考えるのではなく、第二の人生に向けた準備を始め、次に何をするのかを自分なりに計画しておくことが重要です
高齢者らしい方法で長く続けられる仕事を見つけ、楽しみながら働くことが「定年後の働き方改革」として重要になってきそうです

老後の3つの身体変化に対処する
和田秀樹 さんによると、どんなに元気で健康な人でも、気持ちのあり方や意志の強さだけではどうにもならない身体的な変化が確実に訪れると言います
とくに注意すべき「三大伏兵」として知られているのが
①前頭葉の萎縮
②ホルモンバランスの変化
③セロトニンの減少
で、これらを理解して対策を立てることが、老化のスピードを緩やかにするカギになるそうです
まず問題は前頭葉の萎縮と意欲の低下 で、脳のなかでもっとも早く老化が進むのは、記憶を司る海馬ではなく、意欲や創造性をコントロールする前頭葉です
この前頭葉の萎縮が見られるようになるのは40代頃からで、ここから脳のほかの部分の老化が加速していきます
前頭葉が萎縮すると物事に対する意欲が低下し、日々の生活に活力を見出しにくくなり、何をしても楽しめない、気力が湧かないと感じるようになるようです
やはり50代で役職を降りてもらう理由として私の会社でも「新しいことを学ぶ意欲の低下」「変化を嫌う性格」などが上げられています
この意欲低下に対処するには、脳を常に活性化させ、前頭葉の機能を維持することで、 新しいスキルの習得、知的な活動、社会的なつながりを持つことなどが前頭葉の萎縮を遅らせる助けとなるそうです
またホルモンバランスの変化は、たんに体の衰えをもたらすだけでなく、精神面にも大きな影響を与え、特に男性の場合は男性ホルモンであるテストステロンの減少が、体力や意欲の低下、さらには感情の不安定さを引き起こす原因となるそうです
泌尿器科で男性ホルモン補充療法を受けることが有効で、 定期的なホルモン補充は体力の回復と意欲の向上につながります
セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を安定させる役割を担っていますが、加齢とともにこのセロトニンの分泌量が減少し、うつ病を発症しやすくなるそうで、うつ病にかかると前頭葉の機能がいっそう低下し、意欲の低下に拍車がかかります
この負の連鎖を防ぐには、適度な運動やリラクゼーション、良質な睡眠が重要となり、気分が落ち込んだり不安感が強まったりした場合は、心療内科を早めに受診したほうがよさそうです
日本人は精神系の病気に抵抗があるようですが、知り合いの精神科医が言ってましたが「50代でうつ病になったら多くがそのまま治らない」そうです
令和は多くの人が70代まで働く時代になってきますので、新しい知識と対策が必要になってきそうです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました