幼少期は自分主体で生きている
赤ちゃんは『無の強』と言われています
まったく何もできないのに周りの大人を動かして要求をかなえる、ある意味強者ということのようです
言葉がわかりはじめると親の都合を少しづつ押し付けられ、やりたいことを自由にやることが制限され始めます
「自由を奪う」というより、これがないと社会生活ができません
学校に行きだすと『知識の習得』と『集団行動』が好き嫌いに関わらず強要されます
同じくこれがないと社会生活が困難になります
「好きな事だけして生きてはいけない」ということも理解し始めます
好きなスポーツだけして生きていく
好きな音楽だけで生きていく
好きな絵を描き続けて生きていく
という生き方ができるのはほんの一握りの人だけということも理解しだします
学習期が終わったら『生きる為にお金を稼ぐ=自立する』ことを意識しながら生きています
稼ぐためには、経営者・お客様の都合に従って生きなければなりません
赤ちゃんのように100%主体的には生きられなくなります
他人のものさしで生きる前半生
教育企画部にいた頃は会議・研修後のレポート整理に追われますが、経営陣は油断ならぬほどこのレポートを読んでいます
支店長・副支店長合同会議のレポートなど400枚近くあるのに「要注意な文に赤線」「やや気になる文に青線」が引かれて会議の翌日の朝には研修課の課長の席に役員からレポートがフィードバックされていました
「この人一晩で400人分のレポートよんだのか!」と驚いたことがあります
企業に入れば『企業都合の考え方』に従わなければなりません
この考え方からずれた人間を嫌います
「思考を支配してくる」という人もいますが「頭脳明晰の人の思考に従ってみる」も一理あります
「いろいろな考え方が頭に入りすぎて混乱する」のであれば止めるべきですが「多様な考え方を受け入れてみる」は考え方の幅が広がると思います
学習期も労働期も自分主体な生き方ができません
嫌いな考え方も仕事も受け入れなければなりませんが、自分らしい人生を送るためにどこかで子供の頃のような自由を手に入れたいものです
人生の後半での生き方について、筑波大学大学院ビジネスサイエンス系教授の平井孝志さんは「前半生で培ってきた経験を活かしつつ好きか・嫌いかで物事を判断していけばいい」といいます
人生の後半生は自分らしさの発揮
スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業祝賀スピーチの一節で
「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当にやりたいことだろうか?」と述べました
「自問自答せよ」というジョブズの真意が表れている気がします
人それぞれの基準も千差万別であり、一律に当てはまるような「正しい・間違い」の判断軸はありません
平井孝志さんも「正解か不正解かの○✖人生は、前半生で十分」と言っています
本来の自分の純粋な物差しは「好きか・嫌いか」です
自分の好悪は自分の歩いてきた道そのものでもあります
これを平井さんは『ライク・ディスライク思考』と言います
言い換えれば「自分らしさの発揮」です
他人の軸とは他人の好悪であり、あくまでも他人のものでどうにもならないものなのです
それに引きずられる必要はまったくなく、自分自身の好き嫌いを大事に、信念を持って好きなことを選択し続ければいいのだと述べています
『自分に嘘をつく必要がなくなる』それが後半生の醍醐味であると言います
前半生で培ってきた経験を活かしつつ、楽しみながら本当に好きなことにじっくりとチャレンジするべきで、決して「世の中に認められる」とか「見返りを期待する」とかではなく、自分自身の「好きか・嫌いか」に忠実に従うべきです
それでも矩をこえずに生きていけるのが、後半生のありがたさでもあるののようです
他人のものさしでは測れない「好き」を見つけることが後半生の道標になってくれると言います
また平井さんは 「本当に好きなものには理由がない」とも主張しており、大いに共感します
自分に嘘をつく必要はなく、後半生は「好き」を基準とした自分自身が決める時間割から始まると思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました