まだ遅れている女性の社会参加
古今東西万古不変、戦争を起こすのは大部分男性です
戦争の大義名分も勝った負けたも抜きにしてみれば、多くの死者を出し人口を減らす行為です
逆に女性は人間を生み出す力を持っており、男性は逆立ちしても新たな命を生み出す能力を持ちません
人口を増やす女性・減らす男性という歴史の見方もできます
生物界の原理は弱肉強食であり「力が強いものが優勢に立つ」という法則が続きます
知性の発達した人類は少しづつ平等であろうという力が働きます
奴隷制度はなくなり、女性に選挙権が認められ、徐々に平等な社会になっていきます
私が高校生の時は早慶に進める頭の良い女の子でも親の意向で女子大に進まされることが多かったです
中には「女が四年制大学などダメだ!短大にしろ!」という親までいました
「女だから・・・」で能力があっても男より後ろにつかされます
日本の女性が選挙権を得たのはアメリカに遅れること25年、第二次世界大戦の終戦の年である1945年です
現在も大学進学率こそ同じになりましたが、女性の管理職は8.9%という低水準です
ルース・ギンズバーグの女性の人権の戦い
アメリカ連邦最高裁判所の女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグは米国の歴史の中でも最も尊敬された女性の一人ではないでしょうか
2020年9月膵臓癌による合併症が原因で87歳で亡くなりました
ギンズバーグ氏は9名で構成されている最高裁判事のひとりで「リベラル派」の人物として知られています
現役判事のなかで最も高齢であり、闘病生活が続いていたにもかかわらず、1日も休むことなく最後まで職務を全うした姿は多くの人から尊敬されていました
ギンズバーグ氏は
「リベラル派の象徴」
「アメリカ人女性のアイコン」
「アメリカで最も尊敬される女性」と呼ばれています
名門コーネル大学を首席で卒業した後、結婚、出産しハーバード大学ロースクールに自身も入学しています
幼子を抱えながら女性が法律を勉強するなど、当時のアメリカでは考えられないことだったようです
当時のハーバード大学ロースクール学生500名のうち女性はわずか9名だけで、大学幹部からは「なぜ男性がいるべき場所にあなたがいるのか?」と言われたそうです
ギンズバーグ氏は「女性はしばしば偶像化されて崇められてきましたが、担ぎ上げられたその台座をよく見ると、それは台座というよりむしろ『檻(おり)』だったと」 と語っています
当時の米国企業に勤める女性の管理職比率は5%台で、女性の昇進には『見えないガラスの天井』があると言われていました
これは大統領選挙に敗れた時のヒラリークリントンも述べています
「未だ存在するガラスの天井を破る女性が現れることを信じている」とヒラリーは語っています
多くの女性たちが信念のバトンをつないできた
ギンズバーグ氏は1972年にはコロンビア大学ロースクールで初の女性常勤教員になります
この頃には、各地で人権を巡る法廷闘争を手がけ「性差別と戦う女性」として全国的な名声を手にいれるようになりました
1980年カーター大統領からコロンビア特別区巡回区連邦控訴裁判所判事に任命され
1993年にクリントン大統領から連邦最高裁判事に指名されて就任します
アメリカ史上二人目の女性最高裁判事です
ギンズバーグは27年間にわたってリベラル派の最高裁判事として活躍し、男子のみ入学を許可していた軍事学校を違憲とする判決を下したり、LGBTの権利容認、人工中絶支持、フェミニスト、リベラル判事として多くの人から支持されてきました
夫が亡くなった後も2度にわたる自身の癌手術をし、最高裁の仕事を1日も休む事なくこなしていましたが、病には勝てずこの世を去ります
当時の大統領はトランプで「私が亡くなると保守派の最高判事に変えられてしまう」と必死に生きようとします
彼女が亡くなればトランプ大統領によって「保守色が強い最高裁判事団」を作り出す絶好のチャンスです
9つの判事の席は「保守派」と「リベラル派」という見えないふたつの派閥に分かれており、ギンズバーグが在籍していた時は「5対4」で保守派が多かったものの、ギンズバーグのようなカリスマ的な存在がいたことで、少数のリベラル派であっても影響力を保持できていました
しかし、そのカリスマが不在になったことで9つある最高判事の席は「6対3」で「保守派」が占めることになりました
このことは、最高裁で争われる裁判の判決が「保守的な判決」になる可能性が高いことを意味しています
彼女を嫌っていたトランプも記者団にギンズバーグ氏の訃報を知らされ「知らなかった!見事な人生だった!それ以外に言いようがない」と敬意を感じる発言をしています
「私は自分の性別を理由にした特別扱いなど求めません!兄弟たちに求めるのはただひとつ!私たちの首から皆さんのその足を下してください!それだけです」
「様々な決定が行われる全ての場所に、女性はいるべきです!女性がいるのが例外であってはなりません」
「次世代を育成する責任を男性が女性と分担して初めて、女性は真の平等を実現することになります」
「自分はとても明るい星のもとに生まれたのだと思っています」
彼女は多くの言葉を残しています
ギンズバーグ氏誕生までには、自由と平等を求めた女性たちの百年にわたる闘いがあったと言われています
多くの女性たちが信念のバトンをつないで今があるのだと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました