非暴力での戦い
インドのイギリスからの独立運動を指揮したガンディーは『無抵抗』で戦いました
民衆暴動やゲリラ戦の形をとるものではなく「非暴力・不服従」で抵抗したのです
与謝野晶子は『君死にたまふことなかれ』と弟を強制的に戦争に送り出す国に対して、反戦歌で戦いました
あゝをとうとよ、君を泣く、 君死にたまうことなかれ、 末に生まれし君なれば 親のなさけはまさりしも、 親は刃をにぎらせて 人を殺せとをしへしや
「末っ子の君なら、親からは大層可愛がられて育ったに違いない でもその親は、刃を握って人を殺せと教えたか?」という内容です
旅順要塞を多くの犠牲者を出しながら陥落した時も
「そんなの知ったこっちゃない」と詠んでいます
弟には結婚して間もない妻がいました
「暖簾のかげに伏して泣く」と詠い、夫が戦地へと駆り出されてしまった辛さに耐えながら、家業を切り盛りする妻の様子を表しました
非暴力・不服従で戦った人は多くいます
チャールズ・チャップリンの戦い方
チャールズ・チャップリンはヒトラーを喜劇でコミカルに演出しました
ヒトラーの強みは〈圧倒的な演説のうまさ〉です
コミカルにまねされたヒトラーは演説を嫌がるようになります
演説がなくなると、次第にナチスドイツは負けることが増えていきます
チャップリンは風刺を通して社会問題を喜劇の中に描き、個人の尊厳や人間愛をうたっていきました
強大なナチス第三帝国に対して〈喜劇〉で戦ったのです
『独裁者』は反戦コメディの金字塔として、勇気と信念の傑作であり『人類の遺産』と高い評価を受けました
ちなみに、チャップリンとヒトラーは同じ年の同じ月にヨーロッパで生まれています
戦争・人種差別・征服・・・
これらに対して〈無抵抗〉〈詩を謳う〉〈喜劇で表現する〉という戦い方で立ち向かったわけです
根底には『平和を切実に願う』という強い想いがあります
喜劇王の名言
平和を願い、それを喜劇で表現したチャップリンは世界中から評価されました
A day without laughter is a day wasted.
無駄な一日 それは笑いのない日である
We all want to help one another. Human beings are like that. We want to live by each other’s happiness, not by each other’s misery.
私たちは皆、互いに助け合いたいと思っている
人間とはそういうものだ
相手の不幸ではなく、お互いの幸福によって生きたいのだ
You’ll never find a rainbow if you’re looking down.
下を向いていたら、虹を見つけることは出来ないよ
Life can be wonderful if you’re not afraid of it. All it takes is courage, imagination… and a little dough.
人生は恐れなければ、とても素晴らしいものなんだよ
人生に必要なもの それは勇気と想像力、そして少しのお金だ
What do you want meaning for? Life is desire, not meaning.
何のために意味なんか求めるんだ?
人生は願望だ、意味じゃない
Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.
人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ
There’s something just as inevitable as death. And that’s life.
死と同じように避けられないものがある
それは生きることだ
『無抵抗という戦い方』『詩という戦い方』『喜劇という戦い方』
共通して〈武力〉に対して〈心〉で戦ったと言えるのではないでしょうか
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました