静岡銀行の高卒の内定式の模様が報道されました
静岡銀行は27年ぶりに高卒の採用を再開したのです
バブル時代や昨年までの求人難の時代なら「人手不足で大卒が採れなくなってきたから」だと観れますが、コロナ下の本年の高卒採用再開は採用業務責任者として目を引きました
最も驚かされたのは「夜間・通信制問わず大学進学は全額援助する」ということです
非常に素晴らしい企業としての人材育成ポリシーだと感銘を受けました
大学進学したいのに家庭の事情で進学できない
学びたいのに学べない
そんな若者には非常にありがたい企業姿勢です
私が新入社員研修で1番最初に教えるのが
企業とは経済活動の場・・・収入を得る
人間関係の場
自己成長の場 だということです
最初に就職した会社の教育理念は
能力は存在するものでなく開発するもの でした
私のいた教育部は教育研修課・教育企画課・インストラクター課とあり、私は採用企画部から来たこともあり新卒教育の責任者として教育企画課に属していました
初代社長の教育理念であった「最初から出来る人間などは皆無、仕事を通し自己成長する組織とせよ」は非常に失敗に寛容な企業文化であったと言えます
24年間で3代目社長・4代目社長の2人に仕えました
3代目社長も学識のある人で「一緒に働きたくない人」の1番に本を読まない人と挙げてました
「めんどくさいポリシーの持ち主だ」当時さほど本を読まない私はそう思いましたが、教育企画課時代の社長セミナーで
坂の上の雲・・・弱い日本が考え抜くことを徹底し強国に勝った
失敗の本質・・・組織の硬直が生む負ける組織
を担当してよく社長と接するうちに「やはり知識のある人は違う」 と肌で感じました
「学び続けることで能力は開花する」と言い続け
「現場教育は火・本部研修は水・・・本部教育は細かいやり方などではなく教養を深めるカリキュラムでやれ」
当時、営業の成功例を取り上げ成功例を共有するスタイルから一変、教養を身につける言わば直接仕事とは関係ないスタイルに変わりました
ニュースキャスターの池上彰さんの父親は病気でとこ床に付した時「広辞苑を読みたい、買ってきてくれ」と言ったそうです
最後の最後まで学びたい・・・本来人間はこうでなければなりません
わたくしの母も「三国志も何度も読んだ、司馬遷の史記を読み直したい 私の本返せ」と言われました
中学卒業以来 離れていた実家に戻った翌日に亡くなるという本当に突然の別れでしたが、寝室から出てきたのが漢方・薬膳などの通信教育のテキスト
学習も途中でしたが「医食同源」を学びたかったのだと思います
別に若い人のことでなくシニア世代にも共通して「学ぶ」という姿勢は人として重要なことです
大企業時代の現場教育と切り離して本部研修があるというスタイルもいいですが、中小企業時代の採用教育の課長として採用と研修をし、営業部長として現場での指導をするという一貫した関わり方も非常に人材育成ができました
最初に刷り込まれた「能力は存在するものではなく開発するもの」という考え方が今でも教育理念の核になっています
学校を卒業したら学習は終わりではなく、死ぬ寸前まで続くものだと思います