素材の良さを生かすのが育成
「猫は警察犬にならない」
主任時代にうかつに会議で発言してしまったことです
完璧主義の上司に「あいつはもっとここをこうしろ」「あいつはここを直せ」など部下のことをいろいろ言われてのプチ反論でした
なぜか何気なく放った言葉が反響を呼び、多くの支持を集めました
「あの人は短所なんかどうでもいい!とにかく長所を伸ばすことに専念させている!」とたんか切ってたよ!という尾ひれはひれもついて勝手に私の人材育成論が出来上がってしまいました
支店長になったら初日の朝礼で自分の方針をしっかり宣言したほうがいい 特にモラル基準は重要 そう先輩支店長に教わったので「モラル基準20ヶ条」を発言しました
やはり「社会悪な短所(遅刻癖等)は当然直すとしても 短所を直すよりもって生まれた長所を伸ばすことに専念すること」の一文が非常に支持されました
同じ会社とは言え初めて踏み込んだ新潟県でのことなので どこでも誰にでも支持される言葉のようです
それ以降、長としての赴任時には初日に必ず話しています
自分の短所を改善するのは苦痛
日本人は遺伝やもって生まれた性質より環境や努力で人は変わる方に趣を置いています
遅刻癖 協調性がない 挨拶が苦手・・・ 小学校から始まる集団生活で悪習と見なされるものは直さなくてはいけません
ただ
営業とはいえ過剰な誇張表現はヤダ
押しが弱いと言われるが自分らしく顧客に接したい
長時間話すのは苦手だが文面のフォローは好き
競い合うより助け合う組織の方が居心地がいい
人それぞれ気質が違います
統一行動は大切ですが、統一するところ・個人の特性を生かすところとハッキリ分けて書面化していました
「あの人は短所に寛容で長所をしっから伸ばしてくれる」そういうイメージが独り歩きしてしまいましたので もう徹するしかありませんでした
行く支店、行く支店業績は伸びたので 失言から出た駒のようです
企業の教育理念だった「能力とは存在するものでなく開発するもの」を実践していると会議でも評価されました 「そういうことにしておいこう・・・」どんどん失言からのイメージが独り歩きをし始めました
人の短所に厳しく自分の短所には寛大
人は人の短所には厳しく改善を求めますが自分の短所を指摘されると嫌がります
離婚理由の「性格の不一致」と言う発言に対し俳優の津川雅彦さんが「性格が違うから引き合ったんだろ!慣れてきたらその違いが目障りだ!直せ!は我がまま」と言ってましたがまさにその通りです
猫も犬も今や愛玩動物ですがもともとは役割をもって人間に飼われていました
猫は暗闇で目が利き、足音を立てずに相手に近寄り、高いところにも上れ、動くものを捕獲して仕留める習性があります ネズミハンターにはもってこいだったんです
逆に犬と違い飼い主を喜ばせようという意識はありませんので人の命令には無関心です
チームにとって都合のいいものが長所なのです
失言から生まれた方針とは言え もって生まれた特性を見つけ活かす方が人は生き生きと仕事が出来ます
遺伝も気質的な特性もしっかりとあり、それを自覚し、掘り起こし、開花させるということがチームの人材育成では非常に大切なことだと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました