キャリア支援をリードしてきたのは米国
キャリアに関する研究・支援をリードしてきたのは米国です
初期の頃は職業(Vocation)と呼ばれ キャリア支援のことをVocationGuidance=職業指導と呼ばれていました
スーパーの「キャリアの定義」の影響で1950年頃よりキャリアが一般的になったとされています
・産業革命で人々の生活や労働環境が変化し、1907年にはF・パーソンズがボストン職業相談所を開設し、キャリアカウンセリングの原典ともされている「職業選択」が著されています
・第2次世界大戦後、米国に帰還し始めた復員兵の就業が国家的問題となり E・Gウイリアムソンが「職業指導カウンセリング」を始めました
ドナルド・E・スーパーが「キャリア」の概念を拡大し、「職業」ではなく「キャリア」と呼ばれるようになり「職業指導カウンセリング」から「キャリアカウンセリング」に変わっていきます
単なる職業支援から生き方までを含めた全人格的なカウンセリングに移行していきます
日本におけるキャリア支援の発達
高度経済成長期と呼ばれた日本の戦後の社会はずっと右肩上がりに成長していきました 当時の企業は大きな経済成長を見込んで採用活動が積極的である一方、年功序列・終身雇用・雇用保障という日本独自のシステムで守られてきたわけです
仕事のニーズがなくても、大きな経済成長への期待から大量採用をし続けました
それに対し大きな変換を迫られたのが
・バブル経済の崩壊です 経済成長は低下し、労働者の大量解雇・企業の倒産・事業の統廃合が盛んにおこなわれました
・少子高齢化により女性と高齢者の活用に積極化が多くの企業で見られるようになりました
・ITの発展によるビジネスのスピード化で、組織としてのチーム力と同時に個人の能力がより重視されるようになってきました
こうした労働市場の変化は企業に自分の生き方をゆだねるのではなく 自分の問題として考えなければならない という意識を生んだのだと思います
企業に依存はできなくなり 個人主導のキャリア開発・キャリアデザインが主流となっていきます
豊かで意義深い人生を送るための設計図
豊かで意義のある人生を送るためには家の設計図同様に 自分のライフキャリアの設計図=ライフキャリアデザインが必要になります
現在の会社は1100の事業からなりその異動も頻繁です 私の新入社員の時に教わった「一所懸命」=同じ場所で生涯を送るは風化してきました
現在のように変化の激しい時代は、人々の価値観や興味・欲求はめまぐるしく変わり、さらに社会環境や経済システムなどに応じていったん立てたライフプランも変更せざるを得ないことが多くあります
統廃合される事業、新しく生まれる事業が非常に活発です そのなかで「自分とは何か」というアイデンティティ、核となるキャリアアイデンティティを見失わないように支援するのが非常に重要です
キャリア採用=中途採用の人の支援もありますが、メインは新卒のキャリアアイデンティティの構築への支援です
私のように企業内でキャリア支援をする人間はまれで、多くは企業外で「仕事を探し支援する」方が多いと思います
コロナ下の今は「就職先を見つけて雇用されるよう支援する」方々には是非頑張ってもらいたいと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました