我慢の見返りのない社会
昭和入社の社員は「今の若い奴らは我慢が足りない」と不平不満を言う
別に若い世代がDNA操作されて生まれてきたわけでもなく、日本の場合他民族との混血が活発なわけでもありません 同じ日本民族です
違うのは社会に出てからの環境です
高度成長期からバブル経済のなかバリバリ働いてきた世代は、社会がバリバリ成長していたからです 社会環境につられバリバリ働けただけです
私はバブル経済崩壊後に社会に出て最初の会社では採用、営業、教育・研修、企画と経験してきましたが、入社の時にちょうど社長は3代目と変わり社会の変化の節目にTOP交代というある意味恵まれた状況でした
管理職は大きく変わりました 特に最前線をけん引する支店長などは10年間で155支店95%入れ替わりました 伸びていく時代を引っ張っていた人は、下がっていく時代を引っ張ることができなかったからだと思います 意味のない若返りではありません
実績を作れば「おっ!」というボーナスももらえたし、昇給も昇進も実績次第でした 誰もが年功序列に昇給・昇進していた時代は社長交代と共に終わり、正当な評価基準に基づいた昇給と昇進でした 評価基準が正当だったということは非常に恵まれていた環境だと思います それがあって今の自分があると感謝もしてます
企業に中には団塊の世代が幅を利かせ「今の若い奴らは・・」論が飛び交い、経済低迷により我慢しても報われず「俺の若い頃の実績は・・・」などの時代錯誤の自慢話を聞かされる環境の会社も多かったでしょう
我慢した先に報われるものがないから若者は我慢しないのです
非正規労働しかなかった 安い給与で仕事はキツイ ポストはぶら下がりおじさんたちで占められている 高度成長期の人たちと同じ努力をしても同じ実績は作れない
蒸気機関車から新幹線型組織へ
新社長になり役員も部長・課長も支店長も10年かからず一新されました 「過去の功労者は関係ない」という人事でした それを採用 教育・研修時代間近で観ていました
「あの社長は独裁者だ」「人の心がない」旧世代は口をそろえて批判していました 私の上長達のニューリーダーは黙して語らず 他社から来て、しがらみがなかった新社長だからこそできた改革だと思います
「もう蒸気機関車のようなリーダーは必要ない 頭からモクモクと煙を出し『俺についてこい!』と勇ましいだけで、スピードは出ないし 次の世代も育てるわけではない」
「これからは新幹線型リーダーの時代だ 新幹線は各客車にモーターがありスピードも段違いだ!モーターはメンバーのやる気だ!」
バブル崩壊を境に企業のリーダーが変わったところ しがらみで旧態依然のところに差が出た時代でした
ある派遣社員とのカウンセリング
派遣社員で職場は離れていますが、筋トレの話題で話せることから仲のいい30歳の男性がいました 某一流外国語大学をるのに派遣社員をしていました 外国語も堪能です
3ヵ月働くと1ヵ月回外旅行に行ってしまうので そういうライフスタイルのために派遣社員の道を選んだのかと思っていました
新入社員入社研修の最終日「カウンセリングをしてほしい」と要望がありました 派遣社員は担当ではなかったのですが、指名だし旧知の仲なので行いました
「採用・教育マネージャーが変わってから、中途入社も派遣社員も全く入ってこなくなりましたね・・・」確かに私は派遣0、よほどの業務能力がない限り中途も0を目指してました「その批判か、不安の話か」と思い聞いていると
「ここのところいきなり新卒入社が何十人も入ってくるようになり、彼らは歓迎され、期待され、皆の前で紹介され、研修も頻繁にあるし、フォローもまめにされているし 正直うらやましい」
認知されている新卒新入社員 と 頑張っても認知されない派遣の自分
人は認知されるということが非常に重要なのです
「僕の頃は地方ではいい会社がなかった 最初に入った会社はパソコンも触れないような仕事しないおじさんが皆,役職者でした いくら頑張っても評価されないし、報われないので辞めました 半分社会に嫌気がさし、四半期に一度の長期海外旅行を生きがいにして生きてましたけどなんか違うなって、新入社員の彼らを見るたびに考えるようになりました」
ほとんどの若手が「いい仕事がしたい」と想い社会に出ます バブル崩壊後の低成長社会は彼らを失望させることばかりだったのかもしれません
低成長社会でも終身雇用、年功序列が色濃く残り 成長せずポストも増えないのに世代交代はしない・・・
改めて若者を犠牲にする社会に未来はない を実感しました
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました