人間は生涯にわたり発達し続ける
中国の論語に「十五にして学に志す 三十にして立つ 四十にして惑わず 五十にして天命を知る」という教えがある通り、人間は生涯にわたり成長・発達をしていく存在です
寿命の延びている現在、キャリアに関するあらゆる業務に関わっている方は 単なる職業選択、スキルの育成、キャリアデザインのカウンセリングだけにとどまらず、ライフステージにも関わっていかねばならなくなると思います
その為には人間の発達に関する知識が不可欠です
発達についてはライフサイクルとライフステージという2つの視点でとらえる理論があります
ライフサイクル論はエリクソンの唱えた「心理社会的発達論」が有名で、従来の発達理論が誕生から思春期までだったのに対して「人間は生まれてから死ぬまで、生涯にわたって発達する」という考えのもと、人の一生=ライフサイクルを8つに分け 各段階で獲得すべき「発達課題」を設定しました
5段階のライフステージ
もう一つの ライフステージ論としてはスーパーの理論が有名です
人の生涯を「成長→探索→確率→維持→衰退(開放)」という5つのライフステージに分け「マキシムサイクル」と呼びました
成長期 は学童の時代です
探索期 は14~24歳 自分に適した仕事を探し、絞り込んでいく時期
確立期 は25~44歳 仕事に就いて職業的専門性を高める時期
維持期 は45~64歳 確立した地位を維持し、より新たな知識・スキルを身につけ 自分の役割と責任を果たす時期
衰退(開放)期は65歳以上で 仕事から離れ 地域活動や趣味など新たなキャリアライフを始める時期
の5ステージです
この各サイクルの中にさらにミニサイクルがあります たとえば探索期の中のミニサイクルは
成長期 現実的な自己概念を発達させる
探索期 より多くの機会についていっそう学ぶ
確立期 選択した分野で開始する
維持期 現在の職業価値を確かめる
衰退期 趣味への時間を減らす
など 課題も細分化されていきます
スーパーは「キャリアは一生を通じて発達していく」というキャリアの理論を作り上げていきます 現代のキャリア教育・キャリア理論の基礎となるのがスーパーの理論です
自分の人生の脚本は自分で作る
会社に与えられた仕事をこなしていれば一生安泰・・・・という時代は終わりました
経験したことのない新しい仕事にチャレンジしなければならないこともあるし、転職をしなければならない場面も出てくるでしょう
誰かが書いた脚本を演じているのではあまりに寂しい
「自分の人生は自分で脚本を書き、それを演じるのは自分自身なのです いかに楽しい脚本を自分で作るか 楽しい役を用意するかなのです」
は水産会社サラリーマン→フリーの翻訳家→百科事典の編集スタッフ→小説家というキャリアの持ち主 荒俣宏さんの言葉です
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました