シャインの理論
社会人になりたての頃は「生活の中心に仕事をおけ」とよく言われました
「休みの日に自己実現、労働はひたすら我慢の時という時間の切り売りのような発想はもつな」とも言われました 仕事が中心に据えられるのは現在でも大きくは変わらない考え方です
米国の心理学者 エドガー・ヘンリー・シャインは「キャリアとは『生涯・個人の人生とその生き方そのものと、その表現の仕方』である」
とし、キャリアアンカーという考え方を提唱しました 日本語にすると「キャリアの錨(いかり)」ということになります
組織と個人の相互作用という視点からキャリアをとらえたことが特徴です
・個人のキャリアががどうあるべきかを指し示し、方向づけるもの
・キャリアに関する事柄を決める自己概念
ということです
キャリアの主要発達段階
シャインは、組織におけるキャリア発達のプロセスを8段階に分けています
1.成長・空想・探求 0~21歳
幼少期~青年期初期 現実的な職業選択のための基盤を作る時期 職業を吟味したり アルバイトなどで勤労習慣を身に付けたり、必要となる教育・訓練を受ける
2.教育と訓練 16~25歳
仕事の世界への参加と基礎的訓練を行う時期 初めて仕事に就き、自分と組織の要求との調整を学ぶ 仕事の目標に向けた選択 理想と現実を知る
3.初期キャリア 17~30歳
仕事の内容や取り組み方を学び、成果を上げる 仕事で自分の才能、動機、価値観などが試されることを通じて自分を確認し、より明確な職業上の自己概念を形成する 転職などを考え始める時期
4.中期キャリア 25~45歳
会社からの期待や責任が大きくなり、組織内で明確なアイデンティティを確立する時期 組織と仕事におけるセルフイメージがはっきり形成される 長期のキャリア計画を立てる時期 仕事・家庭・自分を統合的に考える
5.中期キャリアの危機 35~45歳
これまでのキャリアを再評価し、現状維持か変更かレベルアップかを決める時期 現状の再認識、目標の再評価、再確認をする 家庭と仕事に葛藤が生じ、問題解決の努力 自分のキャリアアンカーを自覚する時期
6.後期キャリア 40~定年
管理者・指導者の役割を果たす時期 専門性を高めつつ、組織内における自分の価値の低下を受け入れる
7.衰えと離脱 40~定年
仕事に掛ける比重を徐々に減らし、引退を考え始め、それに向けて準備する時期 地域活動 家庭や趣味などの新たな生きがいを考える
8.引退
仕事を離れ、自分のアイデンティティと自尊感情を維持する時期 これまでの経験と知識を生かし、他社を支援するなどして社会と関わる
の8つのステージです
漱石がおしえてくれた「生きることの難しさ」
智に働けば角が立つ 情に棹させれば流される
意地を通せば窮屈だ とかくに人の世は住みにくい
世の中というものは、何でも理論や理性で割り切ろうとすると周りの人と摩擦が生じる
かといって、義理・人情だけで生きようとすると自分を失いかねない
意地を張って自分の考えを貫こうとすると、これまた周りの人と衝突する
いずれにせよ人の世で生きることは難しい
キャリアプラン や キャリアデザイン と書き綴っていますが、社会は四方八方の人間関係の中を生きます 私自身も理論通りにキャリア構築できるとは思っておりません
自然界に春夏秋冬があるように、人生にも様々な季節があります
希望をもって始まる春 忙しくて暑い夏 収穫の秋 辛い冬 キャリアの変化と共に心の変化も含め、人それぞれの道があり、その人それぞれの道を応援していきたいと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました