寄らば大樹の陰の終焉
思えば大学を出て新卒で就職してからは昭和入社世代との闘いの一面もありました
皆、いい大学を卒業し、長時間労働をこなし、すべてを犠牲にして実績を上げていました 「パワーがあるな!こうならなければならない」と最初は感じていました
ただバブル崩壊後の日本経済は気合と根性では乗り切れないものでした 「努力だけでは報われない」 上り坂を生きてきた人は下り坂では身につけたスキルや考え方が通用しない・・・ どんどんリーダーが変わっていきます
つぎに大頭してきたNEWリーダーの行動は「まずは緻密で短期・中期・長期の計画ありき」思考は「どこ・なぜ・どう」「新しい考え方、やり方はまずやってみる、そして判断」でした
旧世代は計画がないとは言いませんが「今年より来年はさらに良くなる」 時代に生きてきたので基本おおざっぱで楽観的です 新しい考えややり方も、まず難癖付けます
「勘と気合」の世代と「倫理と数字」の両世代の上長に接して鍛えられてきました
業績が伸びたので「人員増と取り扱い商品の増」を支店長に進言すると「組織は小さいほうがいい、今の戦力を変えずにさらに伸ばす!考えるだけならお金はかからん」と言われました
満載排水量72809トンの戦艦大和 から 排水量13000トンのイージス艦こんごうへ主力が変わったようでした 大きいから強い時代ではなくなっていくのを目の当たりにしてきました
新しい働き方を生み出す若者
現在、リゾート部門の採用・教育を行っていますが A君という派遣社員がいます
観光の専門学校を出ているので、サービス検定などの資格も多く持っています でもA君は3ヵ月働くと3ヵ月海外に行ってしまいます 生活費にお金のかからない東南アジアか東欧諸国が多いです
すこぶるスタッフからの評判もいいので「社員にならない?」と誘うと「リゾートバイトはやりたくてやっているのではない」「本来はプログラミングとデザインの仕事でフリーランスになること」と言いました
「リゾートバイトは住み込みだし、2食付くし、時給もいいし、寮もWi-Fi完備でほとんど生活費がかからず、給料のほとんどが貯められる」
「1年分の生活費をまず貯める」それは保険
「次に3ヵ月分の海外での生活費を貯める」そして海外へ
「海外でも午前中3時間はプログラミングの勉強に充てている」
「そろそろリゾートバイトは辞めてフリーランスになろうと考えている 東南アジアや東欧諸国なら月5万円で生活できる」
変わる3原則
①時間配分を変える
②住む場所を変える
③付き合う人を変える
を見事に実践しています
「たぶん僕は昭和世代と考え方が交わらないと思う だから大企業への就職など選択肢にない」
コロナを期に見事フリーランスとしてやっています
さらにFIRE=経済的に自立して早期リタイアを目指す若者も増えています
アクティブ投資よりインデックス投資が主流になってきたからでしょう
4%切り崩しで生活できるのであれば経済的に自立したと言えます
彼らは「早期退職して遊んで暮らす」のではありません 組織にいて会社の不満を言ったり、上長の批判をしたり、人間関係にストレスを感じたりするなら「生きるために仕方なく労働する」から自分を解放する道を選んだのです
「一生懸命勉強して いい学校に入り 大企業に入れば安泰」という「寄らば大樹の陰」の発想はなく、逆に「大樹には寄り付くものではない」という考えももっていたりします
「入社」を「入舎」と呼んだりします 「労働所得」を「奴隷所得」と呼んだりもします これは育った環境からくるものの見方の違いです
環境に適合して若者も進化している
日本には飢えて命を落とす人はごく稀です
食べる、寝るなどの生理的欲求 や 治安の維持、安全の維持もしっかりしたシステムがあり安全への欲求 も満たされた国です
それでも自殺者の数は世界でもダントツに多いです
逆に生理的欲求・安全への欲求が満たされていない国は自殺は非常に少ないのが現状です
これは 承認への欲求 や 自己実現の欲求 が満たされないからではないでしょうか・・・
懸命に努力しても「認められない」「評価されない」「扱いが悪い」 「この組織では自己実現なんてできない」
そう感じるから「大樹に寄るメリットはない」と判断されるんです
大多数の人間は「いい仕事をしよう」「認められよう」と想い会社に入りますが 見事に裏切られ、失望し、新しい生き方を模索していきます
あらゆる現象には原因と結果があります 「因果関係」の法則です
見たくない現実は見ない 考えない それで「今の若い者はまったく・・・だ!」と言うだけの世代なら、恐竜のように絶滅してくれた方がいいのではないでしょうか
若者の新しい働き方こそ「真の働き方改革」に思えます
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました