今はリクナビ・マイナビなど多数のネットを使用しての採用活動になりましたが、私が社会に出た時の採用媒体はリクルートが学生に送る百科事典のような分厚い採用情報誌でした 段ボールで住んでいるアパートにある日突然ドカンと届きます
あまりの豪華さにリクルートに「こんなもの買った覚えはありませんが・・・」連絡した同級生もいたくらいです
採用業務に配属されわかったのですが、あれは学生には無料なのですが、企業から40~60万とってます。当時の会社も40万支払ってA4白黒印刷の1ページに掲載していました。今もリクナビマイナビはコースにもよりますが同じような料金です
電話帳のような厚さで業種別に別れ8~10冊あったでしょうか?その大量な情報のなかの商社という分厚い1冊のたった1ページです
学生は付属の「資料請求はがき」をせっせと書き投函 大体一人40~50枚 400枚出した!というツワモノもいました
そして入社案内と会社説明会のお知らせが届きます 大量採用企業や人手不足が深刻な企業は電話まで掛かってきます
当時は大企業での採用でしたので毎日4回会社説明会を開催しておりました
毎日しゃべり続け!休めるのはVTRを流してる15分間だけ・・・
毎日大学生を捌いて捌いて日を置き3回来社させ3回じっくり説明して、興味をもち志望する学生に会社独自の履歴書を渡しておりました
入社4年目の時も営業数字のよいメンバーから抜擢され東京採用本部のチーフとして返り咲いてましたので「営業力も身についたし1年目のリベンジ!」と張り切って業務にあたってました
・いい人材を確保するためには分母が大事⇒できるだけ多くの学生を選考まで送る
・採用担当者の仕事は、一人でも多くの学生を真剣に志望してもらうこと
・超大手ではないので努力しないとBランクの学生ばかりになる
これがこの時培われた考え方でした
会社も採用力=営業力と考えていました
そして弱小企業での採用
よく「中小企業では大手企業の採用には勝てない」という方がおりますが、学生の思考は「自分に合ったいい会社に入りたい」で「大きければ大きいほどいい」と考える学生は減ってきました
「最近の若いやつらはまったく・・・だ!」というのは世の常で、これは明治時代にも言われていたそうで、年寄りの口癖といえます 実際、若者はどんどん進化しています
バブル崩壊、リーマンを経て若者は「いつまでもいい時代は続かない」「おごれるものは久しからず」ということをよく知ってます
絶対的に正しい考え方、やり方などなく、一時良くても古くなるし環境に通用しなくなるというバランス感覚、老子的な中庸の考えを持っています
そういう意味でだいぶ昭和世代よりも進化しているといえます
なりふり構わず「大企業がいい!」と言っていた世代とは違います
いい企業なら大小は関係ない!が全体の8割だと思います
中小企業に移ってからの採用も工夫次第で毎年多くの学生が企業説明会に来てくれました
「中小の説明会には学生は来てくれない」と考えるのは完全に間違い
「中小でも発信の工夫で学生は集まる」ということです
大卒を1期生4人、2期生6人ですが、彼らを入社案内に掲載することで 彼ら彼女らのメッセージを発信し、3期生は45人の中の1人が合格というまでになり10人 次の4期生も12人と必要十分の金の卵が確保できました
とにかく分母となる選考に進む学生を多く確保する=倍率の高い採用ができる=優秀な人材確保 です
教育研修も前の大企業と比べ200人の集合研修などではなく、10人ですから一人一人が把握しやすいです
採用→研修を一括して私が行え、各支店に配属後も営業部長として2週間に一度入れるので対面でフォローできます
そもそも6支店しかなく、従業員も100人強でしたから、全社員を把握できます
200人の集団教育より10人の手作り教育の方が個々をじっくり育成できます
競争力が身につくのは断然大企業ですが、最初の3年間は成績下位の新人から10%弱辞めていきます 競争の原理をうまく活用した人材運営です 40代50代まで登り続ければ年収1000万どころか2000万だって可能です
競争を勝ち残った強い人材創りはやはり大企業の環境に分があります
ただ最初にいた会社はうつ病も多く、離婚も多かったです 私も子供の運動会は2時間以上いたことはありません 子供が寝静まったころ帰り、起きる前には家を出てました 代わりはいくらでもいるので大企業で良くも悪くも会社都合優先です
中小企業は滅多に学生が採れない→無駄に甘やかす
教育システム(研修等)がない などが問題で強い社員が創れない企業も目につきます
大企業か、中小企業か・・・個人の判断になりますが、企業選びで自分のライフスタイルも大きく変わるということです