企業はベストチームを作りたい
万物流転
諸行無常
「世の中のすべてのものは変化する」ということを表す言葉は古来よりあり、風化していません
自然災害のように一瞬にしてすべての日常を変えてしまうものもありますが、大概は気が付かないほどゆっくりとしたスピードで変化していきます
昔は必要だった人も今は不要ということはよくあります
会社は競争に勝つために『常にベストな人員構成』に組織を変化させていかなければなりません
会社組織は『戦闘集団』です
プロスポーツチームのように常にベストメンバーにしなければなりません
「終身雇用は続く」ように見えますが、日本の労働法が「従業員を解雇してはならない」というもので、コロナウイルス蔓延の状況でも雇用調整助成金で「極力解雇のない社会」を維持していたのは世界的に見てもかなり真剣な対策でした
諸外国はコロナウイルス蔓延下では簡単に従業員を切り捨ててました
パイロットのような高スキルの労働者をバサバサ切り捨てます
日本は「従業員を切り捨ててはいけない」という雇用の安定は維持されていくと思います
チーム編成を必要とした時に解雇が許されない日本企業では、多額の金額を退職金に上乗せして人の入れ替えを行います
マスコミはこれを「大量リストラ」と報じますが、実際は「希望退職者募集」であくまでも自分の意志で残るか否かを決めるスタンスです
しかし今が順調でも10年後、20年後はわかりません
環境変化で方針変更
私は大手企業を早期退職した後、同じ業界の中小企業に行きました
準大手からも声は掛りましたが、社長が三顧の礼で声をかけ続けてくれたことと「組織は小さい方がいい」という本田宗一郎氏の考え方に共感をしていたので迷わず一番小さな会社を選びました
創業8年目のその会社は「支店を増やしたいが支店長がいない」という状況でした
入社して3ヵ月すると社長から「新卒社員の定期採用をしたいから採用業務もしてほしい」と言われ、新卒が入ってくると「教育担当もしてもらいたい」と言われます
支店長をしながら営業課長、採用課長、教育・研修課長で営業総括次長が退職すると営業部長も兼任しました
小さな組織は仕事の守備範囲が広いので、それを大変ととるか、やりがいととるかで楽しさが違ってきます
「僕は他社から来てくれた支店長達に支えられてここまで来ることができましたので、支店長達を大切に扱ってください」は何度も言われたことです
「自分を支えてくれた人達への恩義を大切にする人だな」と感じたことを覚えています
「新卒を採り始めて5年もすると組織が見違えるように活力にあふれてくる」はメインバンクの支店長に言われたことらしく「少し採用しすぎではないか・・・」と思えるくらいの採用人数でした
確かに3期生、4期生、5期生と増えていくうちに組織はフレッシュに活気づいていきました
7期生が入り始めた頃、支店長達から社長に対する不満の声を聞くようになります
「やり方・考え方が古い」
「予算未達成の責任をどうとるんだ」
などと言われたとクレームがきます
そのうちに「4月からの給与はこうなる」と言い渡され、数人の支店長から「新しい給与体系と言いながら大幅減額じゃないか!」と不満が爆発します
「こりゃひどい!」という内容だったので急いで社長のところまで行きます
そのまま夜中の2時まで激論しましたが、やっと本音が出ます
「支店長を一人育てるのに10年という時間と多くのお金が掛かるので、立ち上げ時は他社から引き抜くしかなかった」
「人手不足をいいことに彼ら(支店長達)には足元を見られ、要求飲めないと退職をちらつかされ続けてきた」
「もう新卒の層も厚くなり彼らを7年目で支店長にしたい」
さすが小さな会社は7年目で支店長です
「『俺は大手から来てやった』という態度にずっと我慢してきた」
積年の恨みのように社長も溜まっています
新卒社員は考え方の統一され、同期間の競争で切磋琢磨しあい、まさに『会社の子供達』と言う感じです
『我が社で育った子供たちを主力にした組織にしたい』
『他者から来て上から目線の支店長はもう一掃したい』
ということです
時間の経過と共に環境も変化し人の心も変わっていきます
採用と教育を兼任しながら「どこかで新卒を管理職にしなければならず、その時今の管理職をどうするか」はいずれ問題になるとは考えてはいました
ただ、決して支店長達は〈働かないおじさん〉ではなく〈ぶら下がりおじさん〉でもなく〈変化に対応できないおじさん〉でもありません
新しい戦術を伝えれば、さらに自分なりにアレンジして部下にも丁寧に落とし込んでくれます
いわゆる『ありがたいベテラン』です
『新卒を採用・育成し彼らを主力とした組織を創るべき』は融資してくれている銀行の支店長のアドバイスです
かつて日本海軍も山本権兵衛が全ての仕官を退陣させ、海軍大学のしっかりと教育された者を士官にしていき、日清・日露戦争を勝ちましたので正しい考え方だと思います
メガバンクの支店長ともなれば『多くの企業の栄枯衰退』を見てきているのでノウハウはあります
立ち上げ当時はなくてはならない存在
今は出て行って欲しい存在
友人も、恋人も、夫婦も、会社も人間の関係は時間と環境の移り変わりで変化します
労働期間が延び第3ステージも考える時代
どんな会社も必ず変化します
変化するスピードはだんだん速くなります
長寿化で労働期間は長くなります
『一所懸命』=学校出て入った会社で70歳まで働くは少なくなると思います
55歳定年の頃は良かったです
定年は定期的に伸ばされており、65歳、70歳、75歳・・・となっていきます
寿命が延びているからです
労働期間が延びればそれだけ多くの環境変化の波が来ます
某大手企業の社長が「定年は45歳が理想」と言いました
「45歳以上不要」と言っているのではなく、第2ステージに行くべきだという意味です
先が長くなったからです
45歳で第2ステージに進んだとしても、シルバーになればミドル時代のような活躍は難しいと思います
シルバーになれば第3ステージを考えなければなりません
人類は飢えのない社会をつくり、あらゆる病気の完治を目指してきました
長寿は人類が望んだものなのです
変化には変化を
男性の平均寿命は1945年では50歳に届いておらず、1947年で50歳を越えました
1960年で60歳、1970年で70歳に迫り、今や人生100年時代とも言われ始めました
戦後の人の倍の人生が与えられたわけです
学習期(学生時代) ⇒ 労働期 ⇒ 引退期 が
学習期(学生時代)⇒ ヤング労働期 ⇒ ミドル労働期 ⇒ シニア労働期 ⇒ 引退期
となるかもしれません
今はその過渡期の混乱期に思えます
しばらくすると『人生プランの成功例』が数多く発信されてくると思います
「役職定年だ」「年金が危うい」と不平不満を言う人ばかりでなく、チャレンジをして新しい人生の生き方を示してくれる人が必ず出てきます
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました