必要なのになくなる仕事
最近、ネットフリックスで『陸王』を放映しだしましたので、久しぶりに観ています
老舗の足袋屋さんの物語ですが、足袋をふっくらした形で縫製するために古いドイツ製のミシンが使われています
もうとっくに製造中止になっていて、部品が故障した場合は廃品となった同じミシンの部品を使用しています
もうこの世にないものを使用している・・・
これからの時代で怖いのは『必要なのになくなる仕事がある』ということです
特に若者の減はこれから深刻になっていきます
『若者に人気がない仕事はいずれなくなる』といえ、気づいた方も多いと思いますが、企業のCMも、モノを売るCMだけでなく、企業のネームバリューを上げる「認知してもらうCM」が増え始めました
これは少しでも若者を確保しておこうという方針から来ています
対極にあるのが定年延長で、私の会社の場合は「新入社員採用数-定年延長者数=今年の新卒採用数」です
新入社員の初任給の給料でベテランを雇用するか?
何もスキルのない若者を未来の為に採用するか?
になりますが「今若者を採用しておかないと、10年後20年後とどんどん苦しくなる」ので『やりにくくともやるべきことをやる』のであれば新卒採用は重要です

「ババな人材引くなよ」とよく言われたけれど
今のようなAIがなかった時代の採用は、採用担当者や面接官の『人を見抜く目』が全てでした
私も若い頃は「生涯賃金3億円の仕入れをしてるんだぞ!ババ(な人材)を引くなよ!」とよく言われました
とはいえ、面接慣れした学生はなかなか本質を見抜くのも大変です
社員との縁の最初の入り口である採用業務の社員がだらしないと、苦労するのは現場の社員です
世の中は相場で動いているので、売り手市場の時もあれば買い手市場の時もあります
「新卒は採用が困難で、スキルゼロだし、教育にも時間とお金が掛かるし、耐久力なくすぐ辞めるし、中途の方が楽だ!」を続けていると会社全体の高齢化が訪れます
仕事の継続が高齢化で難しくなり、無くなる仕事がこれから増えてきます
今年1年間の出生数が70万人割れという衝撃的な現実を前にして、考えている企業と今だけで精一杯な企業で大きく差が出そうです

キツくてに給料が安い若者の製造業離れ
天然資源に乏しい日本は「ものづくりの国」ですが、近年、海外に拠点を移した企業も多く日本のGDP=国内総生産の製造業の比重は下がり続けてはいますが、2020年時点において約2割を占めている国の中心的な産業です
新たなイノベーションや技術を生み出す製造業は『日本の砦』ともいえる存在であり、日本経済にとっては「2割」以上の意味を持っています
現在、製造業は世界的に過渡期にあり、カーボンニュートラル、人権尊重、DXといった事業環境の大きな転換期を迎えているためだです
ロシアのウクライナ侵攻による資源高や半導体などの部品・素材不足、あるいはサプライチェーン全体のサイバーセキュリティー対策といったさまざまな課題にも直面しており、喫緊の課題への対応の困難さもさることながら、日本の製造業には今後『若い就業者が100万人以上減少 』の人口減少の影響が大きくのしかかってきます
製造業の就業者数は1202万人(就業者全体の19.0%)から1045万人(同15.6%)へと157万人減っているます
もちろん機械の高度化に伴ってオートメーション化が進み、昭和時代のように生産ラインに多くの女性就業者が並んで作業をするということがなくなり、製造拠点の海外展開によって「職場」そのものが大きく減ったという要因もありますが、就業者の総数が長期下落傾向をたどっているのが現状です
問題は製造の現場が急速に高年齢化しているという年齢構成の変化で、34歳以下の就業者数が、この20年ほどで121万人も減少して、製造業全体で2021年時点の34歳以下の就業者は25.2%でしかない
日本の製造業全体として最低限必要な人数があり、それが確保できなくなってきているのです
長期にわたって若者が製造業から離れていったことの弊害は大きく「きつい仕事の割に給料が安い」といった、必ずしも事実ではない勝手なイメージの広がりをこのまま許すことになれば製造業を身近に感じない人がますます増えることとなります
日本の若者の大幅減は、まだまだ大きな問題を抱えています
作家でジャーナリストの河合 雅司述べている
・運転手不足で10億トンの荷物が運べない
・多死社会なのに寺院消滅
・水道料金が月1400円上がる
・駅が電車に乗るだけの場所ではなくなる
・30代が減って新築が売れなくなる
・60代の自衛官が80代の国民を守る
・IT人材80万人不足で金融機関のトラブル続出
という社会になるのであれば『人手不足で消えていく仕事』というものはこれから増えていきそうです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました