2つのグループに分けたがる本能
なんでも2つのグループに分けるクセはないでしょうか・・・
〈勝ち組〉と〈負け組〉
〈富裕層〉と〈貧困層〉
人はなんでも2つのグループに分けるクセがあります
以前『人は1日10回しか選択・判断ができない』と述べたことがありますが『選択する』『判断する』というのは非常にしんどい行為で脳のエネルギーを消費します
奥様が「今晩何食べたい?」と聞き「なんでもいいよ!」というのは思うより酷な対応のようです
判断するストレスから回避するために『シンプルに2極化しておく=分断本能』があり、極めて客観性が乏しいものです
何を基準に〈勝ち組〉というのか?
何を基準に〈エリート〉というのか?
何を基準に〈豊か〉というのか?
何を基準に〈いい人〉というのか?
定義などないのに2つに分断しようとします
とあるお嬢様女子大では「コンビニのような野蛮な人が集まるところに出入りする人達」とグループ分けするそうです
「コンビニよく利用する人は野蛮人」など分断されたら堪ったものではありません
勝手に組織に溝をつくる分断本能
支店長になりたての頃、先輩支店長達に「お前も早くこっちに来い」といわれたことがあります
「こっちって何?」
どうやら〈予算をやり続ける〉〈常勝支店として営業本部に認識されている〉〈商品本部が優先的に良いものを回してくれる〉などのグループだとは思いますが、基準はあいまいです
この人達は勝手に社内を分断しています
「勝ち組ってなんだ?」「エリートってどんな人?」と聞きたくなります
数字や定義による選別ではないのです
数字も平均を出せばいいものではありません
日本人の1世帯当たりの貯蓄額は1800万円だそうです
「そんなにあるんだ!ほとんど皆『老後2000万円問題』クリアしかけているじゃないか」
と思いがちですが『最もボリュームゾーンは貯金100万円以下』だそうです
『中央値は419万円』ですので『ごく少数の世帯が莫大な金額を有している』といえます
分布を見ないと「ほとんどの世帯が『老後2000万円問題』をクリア目前」と判断しかねません
『平均値』だけでなく『分布』も見る必要があります
分断本能は名著「ファクトフルネス」で紹介された言葉です
分断本能により悪くなる組織は多々あります
分断本能は悲劇も生む
分断は人間関係を悪くする例が多いです
基準もないのに「負け組」など言われて気分がいいわけがありません
「よくわからないけど俺は負け組なんだ」と人を不幸にします
「なんだかわからないけど俺は勝ち組」と人を傲慢にします
異教徒弾圧・異民族排除・・・分断本能は歴史的悲劇も生み出しています
「あの人は基本的に文句しか言わない」
「あの人は自分さえよければいい人」
などグループ分けする場合は心の中に閉じ込めて外に出さないことです
特にリーダーは分断本能は強く自制が必要です
攻撃本能もそうですが、人間は意外に厄介な本能を持ち合わせています
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました