今川義元が徳川家康にとった行動
徳川家康が今川義元の人質だった頃、家康の才覚を見抜いた義元は家臣たちに家康を「いましめろ!」と命令を出します
幼少期につぶしておけという魂胆です
「いましめろ!」と言われた部下たちは家康に厳しくあたります
数年後それを知った義元は「ばか者!いましめろとは徹底的に甘やかして堕落させることだ!」と怒ります
人は育った環境によって有能にも無能にもなります
過剰に厳しくされた家康は我慢強さを身につけ、部下想いで思慮深い人間になり、逆に息子の今川氏真はその逆の人間になっていきます
環境によって人が変わるのであれば『環境=組織構造』は非常に重要です
腐敗した組織では人は育たず、やがて組織自体没落していきます
人間は陰の要素も陽の要素も持っており「2人いれば対立が起こり、3人いれば派閥を生む可能性がある」などと言いますが、いい組織を創りたいのは上から下まで全員の望むことです
組織を腐敗させるサボタージュマニュアル
社会保険労務士の牧野剛さんの話だと第2次世界大戦中、CIAの前身の組織OSSが実行していた敵国の組織を内部から破壊させる『サボタージュマニュアル』というものがあったそうです
敵国の組織活動や生産性を妨害して弱体化させるためのマニュアルです
管理者と従業員として潜入『従業員のモラルを下げて生産性を下げる』のが目的で
①効率の悪い出来の悪い社員を褒めて、優秀な社員を不公平な理由で叱る
②仕事は非効率に時間をかけてやり、ひとつの作業に必要な工数を増やし、効率を良くするツールを出来るだけ使わないで、効率の悪いツールを徹底的に使う
③会議の人数を増やして5人以上で決めて話し合いをとにかく長引かせ、意思決定までの時間を増やす
と組織はどんどんダメになるようですが、工作活動でこのようなことをしなくても、このような組織ってありませんか?
意見をよく言う考えている社員をうるさがり、考えてない社員を素直だと優遇する
とにかくやり方が変わるのを嫌がり、昔ながらの効率の悪いやり方を継続している
やたら会議が多く長い・・・
よく耳にする現象です
管理者向けのサボタージュマニュアルは
①何事も決まったルートで行うようにして、決断を早めるような近道は絶対に許すな
②会議は出来るだけ長いスピーチを頻繁に行え
自分の言いたいことやポイントは個人的な経験・逸話を多く盛り込め
③あまり重要ではない業務を完璧に行うように要求しろ
④重要な仕事がたくさんある時に限って会議を行え
⑤会議の議事録や通信文の文書は細かい言葉使いまでチェックし訂正させろ
⑥前回の会議で決まった事項を取り上げて、その決定の可否をもう一度議論し直せ
⑦すべての規則を厳格に適用し、何事にも承認がいるようにせよ
『ルールが細かく決められている会社は壊れていく』
『非効率化を徹底するとやる気は失せる』を実行すれば組織はどんどんダメになるようです
逆に考え活用すれば組織は活性化する
従業員として潜入した工作員のサボタージュマニュアルでは
①電話の受付では間違った内線につないで時間を長引かせ誤って切ってしまえ
②もっともらしい理由をつけてペーパーワークをつくってファイルの数を増やせ
③指示の意味が理解できなかったふりをして何度も聞け
④重要な書類は間違ったファイルに保存せよ
⑤自分のスキルや経験は新人に教えるな
だそうです
このようなマニュアルが存在したことも驚きですが「なるほどな」という内容です
これは『組織を堕落させないチェックリスト』にもなるし、逆に解釈して実行すれば『組織を活性化するマニュアル』になります
特にこのような工作活動で攻撃を受けていないのに、そうなっている組織が問題ですね
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました