朝型人間が創った社会
「成功者は朝早起き」
「早寝早起きが人間の能力を高める」
朝型のリズムを奨励する書籍がほとんどです
元総理大臣の田中角栄は「私は母親の寝顔を見たことが無い」と言います
朝は5時に起きていたが既に母は起きて仕事をしていた
夜中まで勉強をしていたがまだ仕事をしていた
私の家は「親が自分より早く起きたのを見たことが無い」家系でした
大概、祖母に起こされ「さあ学校に行こう」と言う頃起きてきます
父親は会社役員になると、さらに遅起きに拍車がかかり「これぞ重役出勤」という生活リズムでした
母親も革細工の職人兼学院の院長でしたのでサラリーマンのような規則正しさはありません
私も弟もその遺伝子を引き継ぎ夜型人間です
「朝型人間は勤勉で成功者も多い」
「夜型人間は不規則でだらしない生活」
世間ではこんなイメージが強いですが、本当にそうなのでしょうか?
2/3が朝型人間
営業企画部という部署にいた時が夜型の私にとっては一番過酷でした
朝6時には行かなければならないので、4時起きで5時半出社でした
同じ部署にはクリエイターという職務の人がいます
彼らは出勤形態が選べます、皆12時~21時という出勤パターンを選びます
それでも「会社が新宿にあるんですよ!12時前に出社するなら10時に起きなきゃならない」とぼやき、帰りは私と同じ21時です
「なぜ同じ部署内で王様と奴隷のような労働形態が存在するのか・・・」と思っていました
一般のスタッフが帰り始める夕方になるとわき目もふらず仕事に没頭しています
クリエイティブな仕事の人は夜型が多いようです
人間の生活リズムには4種類の睡眠のリズムがあるそうです
①クマ型・・・・日の出と共に活動を始め日没と共に活動力がなくなる
②ライオン型・・日の登る前から活動を始め日没と共に活動力がなくなる
この2種類が6割以上を占めるそうです
ということは多数は朝型で、社会はこの人達の気質で動きやすいです
③オオカミ型・・日が沈み始めると活動をし日が昇ると活動力がなくなる
④イルカ型・・・かなり特殊で3時間の睡眠で大丈夫だったり、睡眠リズムも不定期だったりな特殊なタイプ
オオカミ型は30%強でイルカ型は5%前後のようです
朝型人間が多いのだから、成功者も必然的に朝型が多くなるような気がします
睡眠の型は変えることができない
「英国人の約3分の1が夜型」という記事を読んだことがありますが、これは日本人も同じです
3分の1の夜型の人は3分の2の朝型の人の作り上げた社会リズムを強いられていると言えそうです
研究では、人間の体内時計を制御する遺伝子が24個あり、体内時計とは人間の体内で起きる睡眠と覚醒のサイクルのことで「概日リズム」とも呼ばれているそうです
3人の生物学者が2017年、体内時計をコントロールする時計遺伝子「Period」を発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました
Periodはあるタンパク質をつくることで「眠る時間だ」と知らせてくれるそうです
英国のエクセター大学医学部のこの研究を率いたマイケル・ウィードンは「早く眠りにつきたくなる人も、夜に能率が上がると感じる人も、すべて351個の遺伝子で決められているため本人にはどうしようもない」
「夜型か朝型かをコントロールする術を、わたしたちはもっていない」とのこと
「夜型が朝方の生活を送る・朝型が夜型の生活を送るとことは、うつ病や統合失調症といったさまざまな精神疾患に広くかかわってくる」とまで言われています
ようは睡眠の型は変えられず、違う型の生活を送ると害であるということです
さまざまな多様性が認められる時代であり、生活リズムの多様性がもっと認知されることが求められる時代が早く来ることを願います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました