自分の花を咲かせにくい
昔、愛弟子の安田選手が自殺を図った時、師匠であるアントニオ猪木さんは
『花が咲こうが咲くまいが生きてることが花なんだ!生まれたことが花なんだ!』
と言いました
そう、人間は皆が個性をもった花なんですが、なぜか大人たちは「目立ってはいけない!周りをよく見て合わせて生きることが大切だ!」と摺り込みます
友人たちも「空気読めよ」と言い、社会に出ても同調圧力があり「出る杭は打たれる」などと脅され、実際に出る杭がうたれるのを目の当たりにしたりします
集団で生きることは『花が咲かせにくい環境』と言えます
朝の新宿駅などで、行きかう人たちを見ると芝生のように同じに見えたりします
花を咲かせてキラキラ輝いている人はごくごく少数です
皆、赤ん坊の頃はキラキラしているのに・・・
研修の仕事をしていると「長きにわたり学校という枠にはめられてきた人を、企業組織という枠にはめ直す仕事だな」と感じることがあります
1年生と3年生しかいなかった環境と違い、会社では40年生もいます
「社会人という自覚を持たせる」
「自分の未熟さを気付かせる」
は私個人『適者生存=強いものや賢いものが生き残るのではなく、環境に適応したものが生き残る』という発想から来ています
出来過ぎていた終身雇用 の弊害
戦後の高度成長期の人材確保競争は終身雇用システムというものを創り上げました
これは素晴らしい仕組みで、何のスキルもない学生を雇い、スキルを身につけさせ、引退するまで面倒をみるというものです
長く続いた経済の低迷でこのシステムは持続不可能となりましたが、人々に安心した人生を与えました
反面「一生面倒をみてくれる」という安心感は『日本のサラリーマンの1日当たりの平均勉強時間は6分』という驚愕の状況もつくります
通常の雇用の不安定な状況では『転職時に備え自分の勝ちと能力を上げておかねば!』と考えますが、その自覚が芽生えにくい環境と言えます
勉強している人はかなりの時間を割いているので、0時間の人が多数いるということです
子供の頃、籠の中で飼われている鳥を見ると「自由に空を飛びたいだろうに・・・かわいそうに・・・」と感じますが、大人たちに「長らく籠の中で育った鳥は自分でエサを確保できないから、外の世界では生きられない」と教わります
フリーランスや自営業者と違って、終身雇用という籠の中で育ったサラリーマン生活が長いと自分で狩りをするスキルは当然伸びません
コロナ下で会社が大変な時も給料が入ってきますから、会社が赤字でも平然としていられる甘えというものは、長い目で見ると非常に怖いものです
よくサラリーマンは「フリーランスは不安定で気の毒だ」と言いますが、フリーランスの知り合いを見ると、常日頃から『どんな稼ぎ方があるか』を考えているので、不安定さを知力で安定させています
サラリーマンと違い『常在戦場=常に戦場にいるような心持ちでいる』の心構えはサラリーマンより強く、見習うべき点は多くあります
私がサラリーマンと事業家の二刀流で生きているのも、フリーランスの友人たちの影響が非常に大きいです
熱意溢れるサラリーマンは6%
経済ジャーナリスト・渋谷和宏さんは「金融危機の前後から、大企業でコストカッターの経営者が増えている傾向が読み取れた」と述べています
「残念ながら金融危機以降、少なからぬ大企業の経営者たちは教育・研修費や研究開発費、設備投資という有用どころか不可欠な支出まで削減し、コストダウンを自己目的化し、恒常的かつ長期化な経営目標に位置づけ、社員のやる気はますます失われていった」
その結果、日本は『熱意溢れるサラリーマンは6% 』となったそうです
終身雇用で飼いならされ一人で生きる術を知らない従業員と、長い不況でコストカット経営をし続け、社員のやる気を失わせていった会社の二重害の状況は知っておいた方がいいと思います
「自分はどのような環境の中で育ち、磨かれて来たのか」がわからないと改善の方法がわからず「時代は変わった!生き方も変わらなければならない」と言われても動きようがありません
Z世代は環境に適応して転職を繰り返していくと思いますが、籠の中の鳥が長かった世代は『時代変化の中での適者生存』のために、生きてきた環境とこれからの変化を考える必要があると思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました