キャリアプランは劣化している
大まかな人生のキャリアプランは『学習期20年・労働期40年・引退期15年』です
寿命が延びると学習期20年と引退期15年は固定されて、労働期のみ50年、60年、70年と伸びていきます
伸び続ける労働期を嫌う人たちはFIREなどで『経済的自立=働かなくてもいい状態』を目指します
「収入を得るのは雇われる一択」という人は身体が動かなくなるまで働くことになります
若手社員とキャリアプランについてよくミーティングしますが、最近は「今のキャリアプランは学校出てから60歳までですよね?僕たちはその後20年以上ありそうなんですが、それについてはどうすればいいんですかね?」とよく聞かれるようになりました
60歳過ぎて会社に残るのであれば『収入が大きく減ったうえに、人が嫌がるきつめの仕事になる』と述べます
たしかに体力のある若手がディスクに座りPC業務で、60歳過ぎの社員が若手がやらない肉体労働をしています
その光景も多くなりましたので若い社員も考え始めます
人手不足でずっと雇うけれど、年功序列は完全に崩壊して『50代で役職定年』は増え続けています
「役職定年した時点でキャリアは終了」「あとは惰性」と考えているようです
私の大学の同級生も「自分の上司が60歳過ぎたら駐車場の誘導員に廻された!見ていられない!」と語っていました
寿命の延びに社会保障が追い付かない+労働人口不足で、このままいくと『80歳まで働く社会』になりそうです
『20歳~50歳の成長期のキャリアプラン』にプラス『60歳以降の働き方』もモデルケースを集めて考えていくべき時代になりつつあります
70代の半分が働いている
そもそも現在のキャリアプランは昭和の学習期20年・労働期35年・引退期15年に継ぎ足し継ぎ足しで伸ばしているだけのものです
「国が60歳まで雇えと言い出した」「国が65歳まで雇えと言い出した」で「人手不足で若者も採用できないしいいか」というつぎ足しキャリアプランです
現在80歳まで働く人は男性で45.7%と約半分で、男性の平均寿命が81歳なので『令和は引退期のない時代』になっていくのかもしれません
小泉進次郎議員が「年金は80歳から支給にすべき」と発言し炎上しましたが、仮に年金が80歳支給になれば、ほとんどの人が80歳まで働き労働人口はかなり正常化します
乱暴な話ですが・・・
もう一つ若手社員が問題視するのが役職定年です
役職定年は65%の企業で50代で役職解除としています
「僕たちに適性年齢で役職が廻るようにするための制度なのはよくわかるのですが・・・」と言いつつ『役職定年=積み上げてきたキャリアの終了』と考えるのもよく理解できます
ただ、Y世代やZ世代は雇われる以外の生き方のモデルケースが豊富ですから『50代からの生き方の多様化』は今後どんどん生まれてくると思います
企業から見ても「昭和の55歳定年は令和の55歳役職定年」と言う感じです
50代で役職定年は早いですが、若手の活性化により組織は活力と柔軟性が生まれます
『50代は若手のサポートの時代』といえそうです
お金もかからない60歳以降
役職定年でも給料は下がりますが、60歳からは継続雇用でも転職でも大きく収入は減ります
ただ、住宅ローンや子供の大学卒業でだいぶお金はかからなくなるので大きな出費はほとんどありません
しいてあげれば賃貸の人は「引っ越しがめんどくさい」「都会がいい」と高い家賃のままいると生活は苦しくなります
子供が独立したのに3LDKも無駄に広いとしか言いようがありません
車も住居もミニマムにすることを面倒がらずにしなければなりません
先日聞いたばかりですが「生活レベルを下げたくない」と高級な部屋に住んでいたら「年齢でもう更新できない」と言われたそうです
高齢で賃貸物件探しをすると、かなり選択肢が限られます
100歳まで生きる世代は『50代までのキャリアプランA』と『60歳からのキャリアプランB』の2つは最低用意しておく必要があります
特に60歳以降の生き方は多様化していくと思います
昭和世代の「役職定年後は無気力で惰性」「60歳過ぎは給料が半分」の姿を横目で見ながら、自分で考えるのがキャリアプランBになります
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました