よく耳にするY世代の悲痛な叫び
「もう何度も転職しましたが、まともな企業に勤めたことがありません」
Y世代によく聞く言葉です
Ⅹ世代もバブル崩壊を社会人として生きてきていますが『晩秋』と言う季節で、まだ熱っぽさが残っていました
Y世代ともなると日本経済は『真冬』です
就職氷河期が長らく続き、非正規労働は多く、人が余ってる企業には「人を大切にする」という姿勢が希薄でした
製造業は安い労働力を求め、海外に生産拠点を移し
代わって増えたのが〈労働時間が長く低賃金なサービス業〉でした
私が支店長時代に新入社員として入ってきたY君はそれでも副支店長になっています
私が会社を去っても『この人は人事的な目で判断してくれる』とたまに連絡をよこします
「副支店長で良しとすべきでしょうか?支店も減り始めましたし、頻繁に行われていた支店長の降職も優秀な人ばかりに絞られて滅多になく、僕らに支店長のポストがまわってこない気がします」
「いや、副支店長など〈支店長人材のストックの役職〉で他の社員と同じように月の目標数字はあるし、支店長は目指すべきだと思う」と伝えました
Y君がもし私と同期入社だったら〈支店長〉〈本部の課長〉には間違いなくなっていたと思います
『求人・昇進は相場で決まる』と言いますが、Y世代は気の毒な世代といえます
Z世代はY世代のような目にはあわせない
現在の職場はⅩ世代以上と私が採用したZ世代がほとんどで、Y世代は5%位です
ご多分にもれず『団塊の世代を守るために若者の採用をしなかった』会社でした
同じ世代に偏り、社会変化についていけず、今の私の会社に吸収合併され、偏った年齢構成を変えるべく私が採用・教育責任者として配属されました
「古い世代がダメで、新しい世代がいい」のではありません!バランスが悪いのです
5%しかいないY世代の人たちとは仲がいいのでよく話します
同じレベルの大学でも「僕らの頃は大手企業の求人は少なく、超狭き門でした」
「入社すると団塊の世代は重要ポストに居座り、俺様マネジメントでした」
「最近の若い奴らは軟弱だ!などよく言われました」
「どこの企業も人を大切にする社風は希薄になってました」
「僕は一度も正社員になったことはありません!ずっと非正規雇用です」
「親には『大学出てする仕事か』とよく愚痴られました」
「今までまともな会社に勤めたことがありません!」
Ⅹ世代もバブル崩壊後なので同じような目に合ってますが、Y世代はさらに深刻です
Y世代からFIREを目指す人が多くなるのもうなずけます
『社会に居場所が無い』のです
社会人人生は3ステージになる
人事部長をしていた方が引退をする時
「団塊の世代(当時50代・大卒・男性)を守るためにY世代の採用・昇給を犠牲にしたことが痛恨の間違った判断だった!」
と後悔していましたが、これはこの人事責任者だけではなさそうです
大企業で〈早期退職〉〈希望退職〉を実施している企業の44%は黒字です
「苦しいから人員整理」ではなく「若手の採用・昇進の為に上の世代に退いてもらう」という主旨です
Ⅹ世代より前の世代に役職定年等を伝えると「俺たちは会社を大きくした功労者だ!」「役職失ってモチベーションが上がらない」など猛反発を食らいます
まさに「俺様を誰だと思ってる!」という気を発しています
ただ、最近の早期退職はⅩ世代になってきていますので割と柔軟です
Ⅹ世代でFIRE達成するほど賢い人は少ないです
1番多いのが『大企業から中小企業への転身』です
「私たちの知らないことや、優れた思想を多く持っている」と重宝されているようです
言ってる私も2番目の会社はこのパターンでした
残念なのは小から大に行くことがほぼ無いということです
次が起業ですが、多くは『身の丈に合った起業』です
Ⅹ世代は社会に出た時は終身雇用で年功序列が当たり前でしたので、定年前に辞めることにはそれなりの考え方のチェンジが必要だったと思います
Ⅹ世代にも〈俺様主義で居座る〉〈ぶら下がりおじさん〉は多くいますが
「若い世代の為にも去るべき」
「自分の成長の為にも変わるべき」
「長くなっていく人生の為にも新しい居場所をつくるべき」
と社会変化を柔軟に受け入れる人は多いです
「定年を待たず、会社が退職者を募集」は今までは暗いイメージでしたが
Ⅹ世代は多くの退職金で新しいステージへ
Z世代はY世代のように犠牲になることなく社内でステップアップ
という好循環になってきています
『人生100年時代の仕事は3ステージになる』と言いますが、このⅩ世代の動きを見ていたZ世代はさらにステージアップを理解し、その為のスキルアップを考えながらの生き方になっていくと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました