とにかく炎上しやすい年金問題
フランスでは年金引き上げ問題が暴動に発展していました
年金支給年齢を62歳から64歳に2年引き上げようとするマクロン政権に対して激しい反発が起きています
日本も過去1994年に基礎年金・2000年に厚生年金の比例報酬分を段階的に60歳から65歳まで引き上げるました
人口構成比の多い団塊ジュニア世代の年金支給の時代となると、さらなる長寿と少子化がデッドクロスして、非常に年金は危うくなりますので70歳へ段階的に引き上げることは必須になります
団塊ジュニア世代に罪はありません
人間は自分の意志で生まれてきたのではないので、たまたま同世代が多いだけです
過去と同じように『段階的引き上げ戦法』を取るとは思いますが、年金問題はとにかく政権転覆する可能性があるくらい燃えます
過去、自民党政権が転覆したひとつとなった『年金記録問題』があります
日本の年金記録に問題があり、コンピュータに記録(年金番号)があるものの、基礎年金番号に統合・整理されていない記録が約5000万件(厚生年金番号4000万件、国民年金番号1000万件)あることが判明し、社会保険庁が年金記録をきちんと管理していないことが指摘された『消えた年金問題』です
最近では『老後2000万円問題』もその一種です
年金問題は燃えやすいので取扱注意のため、いつどのように発表するのか見ものです
「フランスが2年引き上げであの騒ぎでは、日本が5年としたら大問題になる」と思いそうですが、日本人とフランス人は違います
日本人の労働観 を見直そう
日本の中高生に「将来なりたい職業は?」と聞くと時代変化で様々な職業がでてきます
先ほどのフランスだけでなく、イタリア・スペインなどでは1位は「できれば働きたくない」です
日本人の場合、働き盛りで健康な人が仕事もせずにブラブラしていると、白い目で見られます
「私は投資家です!株式投資で生計を立ててます」も「汗水たらして働いてない!」という目で見られたりします
キラーストレスという人を死に到らせるくらいの強いストレスがあります
どこの国でも「肉親の死」が最も強いキラーストレスのようですが、日本人の場合は2位に『失職』がきます
これだけ貯金が多い国民でも、突然に仕事を失うことは日本人にとって大きなダメージなようです
フランス人やイタリア人のように「しばらく遊んで暮らせる!」と失職を喜ぶ人は日本人には少なそうです
セロトニントランスポーターが多い他の民族からすると
「取りつかれたように労働に取り組む」
「働いてないと不安な民族」
に見えるようですが、国民の約8割が従業員として雇ってもらえる労働形態を選びます
従業員は『源泉徴収』という優れもののシステムにより、確実に税が徴収できるので国もありがたいと思います
「働かなければならない」という強い労働信仰に取りつかれているのが日本人です
と言ってる私自身も、留学生の受け入れ等でここ数年、海外の労働事情を知ったから気付いたことなので「健康なうちは労働をしなければならない」と当たり前のように思っていましたし、突然会社が潰れたらショックは強いです
定年は強制解雇??
そんな労働信仰の強い日本人ですが、ある程度の年齢になると『定年』という強制解雇にあいます
定年制度は日本独自のシステムで、米国などでは『年齢差別』になるようです
労働法で人を容易に解雇できない日本にとって、どこかで線を引かなければならないのです
他の先進国は『老後のビジョン』というものがはっきりあるそうですが、会社が人生のすべてのような日本人は定年と共に友人もなく、趣味もなく、ビジョンも夢もなく、ただただ老いていく人が多いように見えます
仕事が終わるとドライに個人の時間になっていく他国と違い、日本人の場合は人間関係も会社のウエイトが高く、職場で飲みに行くことも多いです
たしかに採用業務をしていると現在は『労働力不足』だと強く感じます
ただ、チャットGPT一つとっても世界の1億人の労働を代替えできると言われるように、いずれはマシンがかなり多くの労働力を担うようになりそうなので「労働力不足はさほど問題ではない」と主張する人は多いです
日本人の場合は「それはよかった」とはならず「仕事が奪われる!」と不安視する人が多いです
歴史的に災害の多かった国だから『勤勉意識』『貯蓄意識』が強いとも言われています
個人的にも日本人の『勤勉を好む』と『和を大切にする』気質は良いことだと思いますが、一人遊びが下手な部分が定年後に露出するのが気がかりです
人生はどんどん長くなっているので『人生後半戦のビジョン』も考えていく必要がありそうです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました