競争は資本主義の原動力
組織が大きくなるほど競争の原理が働きます
「皆、必死に競い合ってる!」とスポーツ的に見るか
「出世の為に人を蹴落として汚い」とダーティーな見方をするか
人それぞれですが、資本主義は競争を原動力にして発展していきますので、大きな組織になればなるほど『多くの新卒を競わせて組織の原動力とする』という構造です
「人を数字で判断するのは血が通っていない経営だ」
「皆平等に扱ってほしい」
という声は必ず上がりますが、これに人事が反応することはありません
企業がもっとも警戒するのは『能力は低いが意欲は高い人』で、懸命に努力し頑張っているが成果は上がらない人は『能力の低さが一生懸命な頑張りでカモフラージュされている』からです
そもそも高校受験から皆『数字で線が引かれる』という格差社会を経験しているはずです
意欲とか努力は美しいですが曖昧で、最も信頼できるのが数字です
「努力が報われない会社だ!」
「平等ではない組織だ!」
と不平不満をだんだん強めていきますので、不満分子になる人も出てきます
競争社会のメリットは『前進力からくる発展』で、デメリットは『敗者を生み同期入社でも格差が開いていく』という点です

エコな社員が増えている
3人で飲みに行ったとします
「9000円だから一人3000円づつね」というのが平等
「Aさんはお酒飲まないから2000円で残りの二人は3500円づつね」というのが公平です
企業は休日数や出勤時間など平等の理論と、ボーナスや出世など公平の理論を適用する部分を使い分けています
『意欲も能力も低い人』は競争を避けながら生きていきますが『意欲は高く能力は低い人』は同期には離され、後輩には先に出世され、だんだん労働意欲が低下していく人もでてきます
「仕事に全力投球するのを止め、必要最低限の業務をこなす働き方」をする社員は34歳以下で30.7%いるそうです
給料以上に稼いでほしい、仕事を通じて成長してほしいと願う会社から見れば「手抜き」感は否めないです
35~44歳 27.8%
45~54歳 23.1%
55~59歳 18.3%
と、あらゆる世代に2割前後存在するそうです
この人たちは「退職するつもりはないが、昇進意欲もなく、積極的に仕事に意義を見いだせない人」であり、率直に言えば、戦力以下の『働かない社員』『ぶらさがり社員』といえそうです
若手社員を中心に「仕事を通じて成し遂げたいこと」に対する回答では
①安定した生活を送りたい・・・65.8%
②自分を成長させたい・・・57.8%
③家族に恩返ししたい・・・45.8%
という回答です
「安定した生活を送りたい」という新人の仕事への向き合い方について企業研修の講師は「安定志向の新人は、昇進意欲に欠ける傾向があり、管理職や経営層のへのキャリアアップには関心が薄く、人との競争を好まない一方で、プライベートな時間を何よりも大切にし、仕事はほどほどに取り組む傾向がある」と述べています
会社は「せめて業務時間は力を存分に発揮してほしい」と願うが、彼らは「仕事に割く体力を極力温存したい」と考えているようです

役職の有無は非常に重要
20代はいい働きを見せていたのに、30代で急降下する人もいます
面談すると「同期のライバルが係長に昇進したのがショックだった」とのこと
20代は一生懸命に仕事をしていた社員がライバルに抜かれて息切れしてしまうケースが多いそうです
競争の原理で動いていれば、どうしても出世=役職は必要になります
最近は「同期で課長になるのは4割もいない」という企業も多く、私個人も『30代で課長、40代で部長』が一番ベターだと思いますので「できるだけ適性年齢には役職を与える」人事の流れが必要だと思います
そうなるとどうしても「50代のどこかの区切りで役職定年」が必要になってきます
この世代は年功序列がまだまだ残っていますから「戦力外通告」のように受け取りがちです
「若い世代のサポートにまわる」と納得してくれる人もいれば「お山の大将第一主義」を譲らない人もいるので、ここは年齢という数字で線を引くことになります
50代で役職定年となると「かつての部下が上司になるのは耐えがたい」「今の会社にいたくない」という人も多いです
20代・30代の転職市場は活発ですが「ベテランの50代を欲する企業」もあるはずで、ここを得意とする転職業も欲しいところです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました
