子供と大人の共感能力は違う
とあるヨーロッパの小学校で「差別を体感させよう」という試みをさせたそうです
「今日は目の青い子は遊具を使って遊んでいいけど、目の茶色い子はダメ」
次の日は「目の茶色い子は絵本を読んで良いけど、目の青い子はダメ」
という具合です
しばらくして子供たちに「このような人の分け方は無意味でしょ?」と問いかけますが、教師たちの思っていたのとは裏腹に明確に目で色での分断意識が芽生えたそうです
もちろん教師の目的は『差別や偏見をなくす』ことでした
肌の色、髪の毛の色、住んでる地域、親の職業・・・・本人ではどうしょうもないことで差別するのは悲しいことだと理解させることでしたが効果は逆でした
子供は共感能力の発達が遅いためだということです
共感能力が弱いため、区別が差別に直結し分断してしまったそうです
脳が未完成な10代は危険期
9歳を境に子供にはテストステロンという男性ホルモンの一種が増え始めるそうです
20歳になると20倍になりますが、20代をピークに減っていくそうです
女性は30代がピークですが男性ほど増えず、その後の増減も少ないようです
テストステロンは筋力や体力を強くし、競争意識などを強めます
小学校中学年頃から男の子は、やる気も出てたくましくもなってきますが、自分より体力的に劣る、動きが遅い、気が弱いものを攻撃するようになったりします
それをすることにより脳から快楽物質が出るようです
これに対する制御能力が完成するのが30歳前後だそうです
馬力は強くなるがブレーキが未完成ということです
小学校中学年から二十歳くらいまでの男性はある意味危険期といえます
「なんかむかつく」が抑えられず行動に移す可能性があります
女性は暴力を楽しむことは男性より減りますが、無視したり、仲間外れにしたりの行動をとったりする人が現れたりするようです
『このような攻撃を受けることで相手がいかに傷つくか』という共感性が薄いので、いじめ教育とは脳科学の観点から考え直す必要があります
もちろん小学生でもしっかり知性で抑え込んでいる人もいますし、いい大人になっても抑えられない人もいます
差別をなくすには知識と議論
思想、宗教、人種、都合の違いは戦争にまで発展したりします
現にその戦争の悲惨さを21世紀になった今も目の当たりにしています
日本では「ひどいことするロシア」という意見が多いですが、世界を見ると「さんざん侵略を重ね、搾取し続けた欧米憎し」という国も意外に多いです
この違いは世界を分断しかねないように思えます
東洋大学の北村英哉氏 は
社会心理学では、人は味方と敵を分ける心理が働き、自分にとって大切な味方を「内集団」それ以外の敵を「外集団」と区別するのが基本的な考え方とされるそうです
外国人差別はこの典型的なパターンで、日本は諸外国と比べても自分たちが社会の中で『普通』の存在だと考えることで安心感を得る人が多い傾向があると言います
『差別根絶のためには、まず知識を得ること』が重要と述べています
たぶん知識と言っても色々あるでしょうね『心理学』『歴史』などなど、いろいろ学ぶ必要がありそうです
今まで、いじめ・差別への対抗手段は『社会道徳』を盾にしていたように見えます
効果はどのくらいあったのでしょうか?
個人的な意見ですが、これからは『脳科学』『社会心理学』を中心に議論を重ねることが大切だと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました