半分の人は働かなくてもいい?
ハーバード大学と野村総研の研究結果によると20年後には『49%の仕事がテクノロジーに代替えされる』といわれています
「半分仕事がなくなるのか!」と思うとビックリしますが、そこまでにはかなりの労働人口が減少するので思うより深刻ではないと思います
成田悠輔さんが「50%以上の人は働く必要ないんじゃないか?働かなくても良い経済の仕組みをつくればいいんじゃないか?」と発言していました
「韓国、シンガポール、ドイツは高齢化でも生産性あがっている」「何かを作り出すわけでなく、大きな業績を達成するわけではなく、働かせる必要があるのか・・・」
ベーシックインカムの拡大した社会の提案ですが「働かなくていい」はまだすんなり受け入れることが出来ない人は多いと思います
東京大学経済学部を首席で卒業⇒東京大学大学院⇒一橋大学特任准教授⇒スタンフォード大学客員助教⇒マサチューセッツ工科大学Ph.D.取得⇒イェール大学経済学部助教就任という素晴らしい頭脳の持ち主から社会を観るとこう見えるということです
現在は労働1.0から労働2.0へ移る過渡期で、労働4.0の世界はやはり働かなくてよくなる時代とされています
「いずれは半分は働くなくても良くなるんじゃないか?」は人事関連の仲間とよく話し合っています
口では「好きな仕事・やりがいのある仕事が人生の理想」と言いますが、日本人は特に「労働は苦役」と考える人が多く「生きる為に仕方なく働いている」という人も多いです
社会に居場所がなくなった人もいる
別の視点で見て見れば、私の幼馴染の建設業の経営者は「多くの人が置き去りにされているのを見て見ぬふりをしている」と言います
「境界知能が17%と言われ始めたけど昔から20%前後の人は社会で働くのに難があり、2次産業が簡単な仕事を提供していた」
「バブルがはじけてから2次産業は海外に拠点を移し始めたり、機械化してその人たちの仕事が減っていった」
「変わって3次産業が雇用を増やしたけど『接客などの人と関わる仕事』が多くなり、接客などは彼らが最も苦手とするものだ」
「マネジメント社員に『何度言えばわかるんだ』など注意され、客に文句を言われ、3次産業では苦しそうだ」
「労働での居場所を失って苦しんでる人は多い!本人たちの努力とかいう問題ではない!」と述べていました
観光業の採用をするようになってから『居場所を失った人たち』の多さを知るようになり、宿泊施設の裏方にその多くが集まってきています
『学生期間が終了したら社会に出て働かなくてはならない』は本当に真理なのでしょうか?
「働かざるもの食うべからず」や「働かないと人間がダメになる」という考え方は貧しい思想と主張する人がいますがそれには共感する一方、やはり「働かなくていい社会」というものにはまだ理解するのには私自身も時間がかかりそうです
学び直しの必要性
NHKスペシャルで『“中流危機”を越えて』というスペシャル番組を2回にわたり放映しました
かつて一億総中流と呼ばれた日本で、豊かさを体現した所得中間層がいま、危機に立たされているというところに焦点を当てています
世帯所得の中央値は、この25年で約130万円減少
その大きな要因が『企業依存システム』にあり、社員の生涯を企業が丸抱えする雇用慣行の限界に来たと分析しています
技術革新が進む世界の潮流に遅れ、稼げない企業・下がる所得・消費の減少という悪循環から脱却できずにいるという厳しさを増す中流の実態に迫り、解決策を模索する番組でした
賃金アップに繋がる成長産業を生むため『社員の学び直し=リスキリング』に挑む日本企業や、パートタイマーの管理職登用など正社員と非正規雇用の格差縮小に努める小売業大手の最新の動きが放映されていました
日本再生に多くの人が『終身雇用を即刻辞めるべき』『学び直しの必要性』を主張していますが、その真意がよくわかります
ドイツは国を挙げた取り組みで、自動車工場を解雇された労働者がIT企業に転職し、新たな収入を確保しています
ドイツの学び直しの姿勢は素晴らしく、50代の元警備員がITを学び直してる姿を見ると「終身雇用で飼いならされた日本人にはない光景だな」と思います
オランダは労働者の半数近くいるパートタイムが、正社員と同等の時間給や手当を手にし、女性の社会進出も進んでいます
出口の見えない負のスパイラルに落ち込んだ日本の状況を解説した『Nスペ』に視聴者からは
「めっちゃ暗い気持ちになった」
「ちょっともう途中で苦しくなってきて目を背けてしまった」
「まだ就職する前なのにこんな絶望を見せつけられて、どうすればいいんだ!」
とかなりのブーイングが上がったようです
私もうかつに人事関係者以外に「終身雇用は終わる」などと話すと露骨に嫌な顔をされます
人は『見たくない現実は見ない・知りたくない真実は聞かない』ということがよくわかります
長野県で支店長をしていた頃、取引先の若い社員が「うちは親会社からの天下りが多く60代が役職者の大半を占め『何もなく穏便にあと数年を過ごしたい』という空気が充満していて『誰も将来のことなど考えてない』と深刻に悩んでいました
この組織を4年半見続け「早いうちに会社の舵取りを若い世代に移し、ベテランはそのサポートにまわった方がいい」と考えるようになりました
『選挙権は若い世代は1人3票・ミドルは2票・シルバーは1票にした方がいい!』と提案する人がありますが、民主主義では難しいと思いますが『未来のある人を優先した社会』にシフトする必要性は強く感じます
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました