神道と仏教の国
日本人の場合「熱心に信仰している宗教がある」という人の方が少なく、逆に熱心に信仰していたりすると怪しまれたりします
日本古来の神道に大陸から来た仏教が共存しているというのが一般的な見方です
神道でみれば
「お正月は初詣に行こう」
「合格祈願に行こう」
「夏祭りに行こう」
仏教でみれば
「お葬式と法事」
「お墓参り」
「仏壇に手を合わせる」
は日常に行いますが「神道の教えは?」「仏教の教えは?」と言われると意外に子供にも答えられない人は多いです
子供の教育上都合のいいものはピックアップして使ったりもします
「遠い先祖は神社、近い先祖はお寺」と教えているおばあさんがいましたが、子供にはわかりやすい説明です
今回のように大きな事件があると「宗教ってなんだろう?」と考える人は多くなります
・信仰は自由である
・宗教の良い悪いより、活動が社会的に善か悪かが重要
が論点になると思います
日本に仏教が浸透した理由
営業企画部という部署にいた時に『平城遷都1400年記念事業』の会社の責任者になったことがあります
日本に初の国際都市である平城京が出来て1400年という記念すべき年を祝うイベントです
この時いろいろな知識人の方々から教えを受けました
文化も文明も圧倒的に優れた大陸(中国)と対等に付き合うためには「大陸の人が信仰する仏教を取り入れるべきだ」という意見が強かったようです
『同じ神を信仰する』ということは古代では非常に重要なことで、信仰の違いは侵略や戦争につながったようです
平城京には当時の建築技術の粋を集めて、立派なお寺が建立されていきます
平安京からは風水が取り入れられます
風水とは都市計画で、『陰宅=死者の住むところ』『陽宅=生きている人間の住むところ』をまず決めるそうです
「北側には〇色、トイレは〇色・・・などの皆さんが言う風水は聞いたことがありません」とその教授はおっしゃっていました
ちなみに江戸は日本独自の『鬼門』を取り入れた都市計画になったそうです
東海道から富士山の氣を運び、逆側は筑波山の氣を行きかう人が運んできて、江戸城のお堀で廻したそうです
現在は東海道線が運んでくる富士山の氣と常磐線が運んでくる筑波山の氣を山手線で廻しているそうです
「〇〇さん」という呼び方の山は神様の宿る山
「〇〇やま」という呼び方は普通の山だそうです
大学時代の一般教養で『宗教学概論』では、土着宗教がどのように出来上がっていくかということを学びましたが「古代の日本人は『先祖の眠る場所』『先祖と通信できる場所』を大切にしたがった」そうです
そのような嗜好から仏壇やお墓で亡くなった肉親と会話できる仏教は日本人に好まれたのではないでしょうか?
仏壇やお墓で
「おばあちゃん、賞状もらったよ!」
「おじいちゃん、○○に合格したよ!」
などの会話する場所を古代より求めていたようです
またお寺の過去帳には「○○の長男」「○○家の系統」など住民票管理の役目もあり、幕府にとっては今の市役所のようなモノとして役立っていたようです
信仰心の強さは長寿につながる
米国で『週一ペースで礼拝に参加している人』と『全く礼拝に参加していない人』では、その後16年間の死亡率が33%低いという統計結果があるそうです
信仰心の深い人は寿命が長くなるようです
宗教の礼拝に熱心に参加すると、心疾患・発がん率などを含む全死亡率は明確に下がるそうです
逆にネガティブな面としては、宗教勧誘に引っ掛かりやすい、宗教にはまりやすい人はIQが低い傾向だそうです
特に計画力・推論力・注意力・作業記憶などの帰納的思考が劣るようです
信仰心の深い人は『社会的つながりが良好』『タバコを吸わない』人が多く、長寿の条件の1位『良好な社会関係』が出来ているのが要因のようです
カルト宗教が問題視されていますが「宗教にはまる」は依存症の一つです
ギャンブル依存症・お酒への依存症・薬物依存症などの人は「これはいけないこと」とわかっていながらの依存症ですが、カルト宗教の場合はいけないことだということの自覚がないところが怖いところです
日本国民の平均のIQは台湾に次いで世界2位です
IQの高い日本人は全体的には宗教に関心を持ちにくいという見方もできます
意外に他の先進国では「人は猿が進化したもの」より「人は神が創ったもの」という考えの人の方が多いです
ただ、家庭での環境も信仰心には大きな影響を与えるので、家族が信仰心が強ければ自然に子供も信仰心は強くなります
社会的活動が悪の宗教に依存すると破滅を招いたりしますが、そうでない場合は『良好な社会的つながり』を築け、それが長寿にもつながりやすいという面も宗教にはあるということです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました