一極二元論
私がよく使う言葉に道教思想からくる『一極二元論』があります
『一極二元論』とは「ひとつの極は陰陽二方向に進む」という考えです
人類は「飢えのない社会」の仕組みを創り続け「病気の治療法」に取り組み続けました
健康・長寿という陽方向にひたすら邁進するのが人間です
結果、長寿社会からくる年金・医療・介護などの問題が発生してきます
陽方向に進んだ分、陰方向にも進んでいるのですが、懸命に治療法に挑んでいる時には「この病気が治せるようになると長寿になり年金が破綻しかねない」とは考えません
この陰陽のバランスをとるのが政(まつりごと)=政治 と言われ、私たち庶民が考えない陰方向の分析・対策をしっかりしてくれる政を司る賢い人たちになります
日本は飲食業への参入障壁が低く、結果「種類が多い」「美味しい」「安い」食の文化を築きましたが、太りすぎにも悩まされています
美味しいものを食べたい⇔ 太る悩み
移動が便利になった ⇔ 運動不足
ギャンブルは楽しい ⇔ 借金問題
情報発信・収集が発達 ⇔ 誤情報の氾濫・ステルス個人攻撃
など陽に進んだ分、陰にも進んでいることを考えない・考えたくないようです
陰陽バランスがとれるのが優秀な指導者の条件
私自身も知ったような口をきいて「陰陽バランスが大事」と言いますが、陰方向へ進む分析・対策など出来ていません
支店長時代も「予算をやる」という陽方向一直線でした
やれば翌年の予算は上がりますが「考え方・やり方を進化させればいい」という根拠薄弱な事しか考えておらず、予算が出来ていたのも3年サイクルで転勤があったからで、長野支店の時に限り4年目を任され散々な業績でした
それでも10年も予算をやり続ける支店長もいます
よく見ると、うまい組み方で予算増をすり抜けているようで、巧みに翌年の予算アップを逃れています
企業は意識高い系の働き方を美徳としますが、われ関せずという姿勢です
賢い人は陰方向もしっかり計算に入っているようです
部下には予算上昇のストレスを掛けることもなく、予算達成による賞与アップや報奨金やグレードアップなどの見返りもあります
陰陽バランスのとれる賢い人は存在しており、観ていると『意識高い系』ではなく『無為自然派』です
意欲が低く見えますが、バランス感覚に優れています
日本は戦略的に縮むしかない
人は白黒はっきりした偏った考え方に目が行きがちです
実際世の中はグレーゾーンがほとんどで、多くの人は両方向考えるのは面倒なのか〇✖式の思考を好みます
報道するマスコミもその辺を良く心得ています
『少子高齢化』が騒がれていますが、世界には人口増に対して仕事が行き渡らず、失業者が多すぎて貧困化した国も多いです
日本も明治初期の人口は3330万人で「国が面倒みきれる人口は6000万人まで」と言われていたようですが、実際はその倍以上の人口の国になったわけですから、国の政を司る指導者の陰陽バランスが優れていたのだと思います
日本に今必要なのは「戦略的に縮む」ことなので、出生数増対策だけでなく、寿命の延長を含んだ陰陽バランスのとれた縮み方をしないと「長寿は悪」となり「老人は集団自決しろ」などと主張する輩も出てきます
もう忘れ去られた過去ですが、年金制度ができる前の日本は年寄りを見捨てて引っ越したり、放置したりする事件が多く発生しています
必要なのは偏った意見で人の注目を集める指導者ではなく、陰陽バランスの取れた優れた指導者が常に求められているのだと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました