昭和の女性の就職は専業主婦だった
X世代の私が大学生の頃は、同級生の女性の多くはキャリアプランは専業主婦でした
23歳で社会に出て、25歳で結婚するのならなぜ大学に来たの?と聞くと
「四大卒と結婚する為」
「大手企業に入社できるから結婚相手をグレードの高い人から選べる」
などと言われ、令和女子が聞いたら憤慨しそうな考え方をしていました
私の子供のころの『家族写真あるある』は、マイホームをバックに、子供と自家用車と写された写真がよく撮られていました
男性も「妻をもち、子供をもち、家をもち、車をもち、一人前になったぞ!」という感覚です
車も昇給と共に、カロリーからコロナやカリーナへ、そしてマークツーさん兄弟で、最後はクラウンと変わっていきます
平成入社の私にもまだまだこの価値観は根強く「奥さんを働かせている奴は甲斐性なし」というムードです
この時、人事で調べると既婚者の男性社員の奥様達は99%専業主婦でしたので「結婚したら女性は専業主婦なのは当たり前の時代」でした
働いてる奥様は○○教室の先生などほとんど趣味と仕事の合体型です
「結婚はせず、一生仕事を続けキャリアアップしていきたい」という女性にとっては生きにくい社会だったといえます
昭和の時代は令和と大きく違う価値観で「生活費の為に妻を働かせるなどは男ではない」という空気でした
専業主婦はいなくなる
大概の夫婦は男性の方が年上の場合が多く、さらに女性の方が長生きなので、夫が亡くなってから10年~15年くらいは奥さんは一人で生活する場合が多いです
その場合は夫が加入していた遺族年金で生活ができましたが、法改正により『遺族年金は5年で打ち切り』になります
問題は専業主婦でずっと暮らしてきた女性です
「学校を出てからずっと専業主婦で生きて来て50歳の今になって働きに出るの?」となります
『20代から50代に死別した子のない配偶者の遺族年金を見直す』というもので、60代は現行のままです
もともと遺族年金は
・女性が働ける職場は少ない
・長い期間働ける職場は少ない
・男性と同じような昇進は難しい
・男女の給料格差が大きい
という時代にできた制度で、男女差がなくなりつつある現代には必要ないという考えから来ています
人口の三重苦に対応しなければならない
①女性の就業の進展
②共働き世帯の増加
などによる社会状況の変化に対応したモノです
女性の就業率はどんどん上がって、専業主婦世帯は減り続けています
専業主婦世帯は936万世帯から404万世帯となり67%も減りました
逆に共働き世帯は718万世帯から1206万世帯となり168%も増えています
以前「役職定年が当たり前になり、悩める50代」と書いたことがありますが「女性を管理職にするために男性が割を食っている」という状況も生まれてきています
役職は下がり、給料は下がり、何かと大変な50代ですが女性は年々社会状況は良くなってきていると思います
女性も生涯働くのが当たり前になった時代と言えます
地震予測は困難ですが、人口動態の予測は確実にできますから
・子供は減っていく
・社会保障の必要な老人は増えていく
・労働人口は減り続ける
という三重苦となれば「女性にも生涯働き続けてもらう」「老人にも出来るだけ長く働き続けてもらう」という1億総労働時代になっていきます
報道番組を見ていて気付く人もいるかもしれませんが
「67歳で年金暮らし」「35歳専業主婦」とは言わず「67歳無職」「35歳無職」と報道されます
働いてくれれば
①労働力が増える
②税収が増える
③年金で細々生活するより消費が増える
というメリットもあります
三重苦を勤勉さで乗り越えるという日本人らしい政策だといえます
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました