就社でなく就職に戻る
前回、東京都台東区にメイテックという会社の話をしました
スキルを向上させる仕組みを企業が創り『生涯プロエンジニア』という働き方に拘っている会社です
採用時点から『就社でなく就職』だということを強く理解させているようです
『キャリアとスキルという2つの軸が大事』と無償で提供する研修を500講座以上用意しています
「俺のスキルは古いくて使えなくなってきた」が無いよう教育サポートをしっかりしている会社です
学び続ける⇒スキルを更新し続ける⇒いつまでも必要とされる のであれば『定年延長』などは関係なく『早期退職制度』も『希望退職制度』も無縁の世界になっていきます
高度成長期の日本は『そこそこ使える人を大量に創り出す教育』でした
義務教育である中学生までの頭があれば社会で困ることはありません
進みたい職種により、工業高校・商業高校・農業高校・水産高校ができ、『そこそこ優秀な人』が多く労働市場に出ていきました
「日本人は全員字が読めて、足し算・引き算ができる」と平均値が世界一高いのです
高度成長期はそれでよかったのですが、後進国も教育制度が整いどんどん頭脳明晰な人が出て来ますので『世界一高い平均点の労働力』では危うくなってきます
学び直しが当たり前になってくる
労働力不足の高度成長期に生まれた『終身雇用』とは違う意味で『いつまでも戦力でい続けられる自分創り』がスタンダードになっていきそうです
給料は年齢や勤続年数に合わせて・・・とはならなくなります
プロスポーツ選手のように『スキル』と『実績』に合わせて変動します
従って諸外国のように『格差が拡大』します
学ぶのを怠ってスキルが古くなると『戦力外通告』もあり得ます
日本は労働法でよほどのことが無い限り人を解雇できないので、代わりに給与面の落差が激しくなりそうです
「あなたの今年の年俸は○○万円」と言われ「上げる為にはどうするか」なども具体的に話し合われるようになります
自分の専門能力を向上させるために『リスキニング=学び直し』が重要になってきます
メイテックのように会社が500講座も用意してくれればいいのですが、大半は社外の自己学習になりそうです
自分の専門領域の延長線上でのスキル開拓をし続けるのが労働期になります
この流れは既に始まっており、厚生労働省は人材開発支援助成金について
「労働者の職業生活設計の全期間を通じて段階的かつ体系的な職業能力開発を効果的に促進するため、事業主等が雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識及び技能の習得をさせるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成する制度」
としており、私の会社も研修が多いため助成金が出ています
年齢は背番号
東京都港区に『就労を希望する高齢者に仕事を紹介』しているマイスター60という会社があります
「年齢は背番号、人生に定年なし」が経営コンセプトで、現在まで8000人の高齢者の雇用を創出しているそうです
同社のシニアビジネス事業部長が転職できるシニア人材とは
・聞き上手・話し上手
・健康で意欲が高い
・新しい知識を積極的に吸収
・ポジティブシンキング
だと言います
シンガポールでは『国民のスキル習得』の支援を目的にプログラムがあり
・学生向け
・若者向け
・ミドル世代向け
など様々なコースがあるようです
国をあげてスキルアップ支援している国です
「寿命が延びていく!年金が先送りされていく!いつまで働くんだ!」
企業も「80歳まで雇うなんて無理!」
という論議も今だけで、だんだん諸外国のような就業スタイルに変化していくと思います
ただ若手社員を見る限り、学習意欲・成長意欲には差があり『微差は大差』で格差は拡大していくと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました