「八方睨み鳳凰図」 を89歳で完成させた北斎
葛飾北斎は「自分が満足な腕前になるのは90歳」と言っていたそうです
天才の考えるスキルアッププランは凡人には理解できません
21畳もの大きさの岩松院の天井画「八方睨み鳳凰図」は北斎89歳での作品です
北斎は老いてなお、制作意欲は衰えず、このような大作を作り上げました
サラリーマンが「私は90歳には最高のスキルになっています」と言えば組織に呆れられます
「真の経営者になるのは60歳前後だよ」
「政治家は60歳前は鼻たれ小僧」
などは聞いたことありますが、90歳は一般的に寿命です
その年月の長さよりも「90歳まで成長し続ける」という意欲に敬意を表します
私は長野県に転勤で4年間住んでいましたので、小布施でこの鳳凰は見たことがあります
畳21枚分の大きさの迫力
ビビッドな色味と鳳凰の目力
90歳を目の前にした人間が、こうも魂が込められた力強い作品を創れるのかと感心させられます
脳はいくつになっても成長する
佐藤富雄さん(ルーマニア・スピール・ハーレ大学教授、ルーマニア名誉領事 )は
50才代で一念発起、農学・医学・理学博士、MBAを取得
海馬は年を重ねるほど発達できる
アイデアは年を取るほど生まれやすい
50歳からの再学習で脳はますます発達する!
と言います
「50歳の自分が原チャリなら、80歳の自分はフェラーリ」
「もう学ばなくていいと思ったところから老化が始まる」
学び続ける限り人は成長を続けると著書で力説しています
近年の研究で「大人になっても脳の成長は止まらない」ということがわかりました
人は60歳、70歳になってもなおその知能を高めていける傾向が確認されています
暗記力や記憶力という観点でみると、ピークは20代になるそうです
暗記がメインの学生の勉強は10代20代がベストとなります
しかし暗記力や記憶力だけが人の知能ではありません
学生時代は勉強が本文です
新入社員時代も覚えることが山ほどあります
ただ〈ある程度仕事を覚え〉〈実績も出し続け〉〈周りにも頼りにされ〉始めると『学習意欲は低下していく』傾向があります
ミドル以上は、成長・学習に年齢は関係が無いという自覚が必要です
若者とは違う問題意識
若者がこれから生きる社会は『労働期60年』に対し『企業の寿命20年』ということへの対応です
労働期が伸びるのは『人が健康に長生きになる』という人類が取り組んでいたことですし
企業の寿命が短くなるというのは『変化の速度が速くなるので新陳代謝も早くなる』ということです
対して戦後の昭和の高度成長期就職の世代は〈年金は安泰〉です
平成就職組も〈年金は安泰〉とは言われてはいますが、支給額変更などはあるやもしれません
ミドル・シニアは『就社=一つの企業で定年を迎える』ことができる人も多く『AIの影響で仕事が大きく変化』はさほど巻き込まれず『逃げ切り世代』とも言われます
ただ「自分は100歳まで生きる」は想定してない人が多いです
想定している人は『健康対策=食の改善・運動』と『お金の対策=各種投資・貯金等』考えていますが、少数派です
筋肉は80歳になっても成長します
寝たきり生活にならない身体づくりは大切です
「老後に2000万円必要」と言われ、世代によっては「今から無理だよ!」という人も多いと思います
50代は意外に子供の学費がまだ掛かるという人が多いです
60歳前後で引退できる人
80歳まで働く人
マネーリテラシーの差で労働期に差が出そうです
葛飾北斎や佐藤富雄さんを見習えば、情熱をもって学ぶものが必要になってくる気がします
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました