必要なものを求めた時代の終了
経済の7割は一般消費で成り立っています
消費スタイルは昭和中期と現在ではだいぶ違います
戦後の日本人はアメリカ人の豊かな暮らしを見て「あんな生活がしたい!」と憧れました
〈三種の神技〉=冷蔵庫・洗濯機・掃除機をまず欲しがります
これは主婦の仕事を劇的に楽に変えます
冷蔵庫があれば食事のたびに材料の買い出しがなくなります
洗濯機があれば手洗いよりきれいに、かつ早く選択できます
掃除機の前はほうきではいていましたので時間短縮できます
時間的余裕が生まれる・労働が楽になる=豊かな生活でした
次は〈3C〉=カー(自動車)・クーラー・カラーテレビを求めます
この辺が行き渡ると『生活の為になくてはならないもの』はなくなり『快楽を求めるもの』に移っていきます
よく〈独り暮らしスタートセット〉などが家電専門店・ホームセンターに並びますが、たいがいは冷蔵庫・洗濯機・掃除機・テレビなどです
昭和中期は必要なもののために働いていた時代と言えます
物が行き渡った時代の戦略
松下幸之助は
ビジネスの使命・生産者の使命を
「生活物資を無尽蔵に提供して貧を除くことだ」と言っています
これは『満たされていない時代』だということです
現代の消費の環境は昭和中期とは違います
『物が行き渡って満たされている時代』と言えます
電通の戦略十訓を観てみると
1.もっと使わせろ
2.捨てさせろ
3.無駄使いさせろ
4.季節を忘れさせろ
5.贈り物をさせろ
6.組み合わせで買わせろ
7.きっかけを投じろ
8.流行遅れにさせろ
9.気やすく買わせろ
10.混乱を作り出せ
とあります
携帯電話を〈ガラケー=ガラパゴス携帯〉などと少しバカにした言い方をするのも「スマホに変えさせたい」「スマホにすればネットでの消費などが増える」というような意図を感じます
スティーブ・ジョブズは子供達にはスマホを使わせず
台湾のIQ180のオードリータンもガラケーです
スウェーデンの研究では「5Gは非常に脳に悪影響を及ぼす」と発表してます
目覚まし代わりに頭の近くに置いて寝ている人は多いと思いますが、このような情報は流しません
スマホの所有が消費増に直結するからではないでしょうか
ビジネス使命の延命のマーケティング
電通の戦略十訓は『物が満たされた時代』の経済拡大には確かに必要なコンセプトです
コロナで止まった
・ディズニーランド
・ライブ
・映画館
・レストラン
・ショッピングモール
・温泉
などは〈なくても困らないもの〉でしたが、このなくても困らないものを提案し、宣伝し、消費をさせないと経済は廻らないというのが現在の状況です
テレビのCM・ネット広告・新聞チラシなどで消費をあおらないと〈なくても困らないもの〉は買ってくれません
戦後は東南アジア諸国と変わらなかった生活が、大きく伸びて豊かになった日本は『生活必需品でないもの』や『承認欲求のため』にお金を使うようになっています
『ビジネス使命延命のためのマーケティング』に見えてきます
需要が無かったところに需要を作り出す
消費者が気付いていない不満をあぶりだし解消する
ことでしか延命出来ない状態のような気がします
問題なのは「消費者はバカではない」ということです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました