労働法に守られた日本の労働者
景気が落ち込むとリストラなどの言葉が飛び交います
ただし海外と日本ではその内容がだいぶ違います
「企業が45歳以上〇千人リストラ」
などという記事が流れてますが 日本は労働法にガッチリ守られていてリストラなど出来ません
さわいでいるのは「早期退職希望者〇千人募集」です
あくまで「退職希望者募集」なので いたければいればいいのです
個人指名もできません 「〇〇歳以上」と区切れば 必要な人もそうでない人も全員対象となります
大企業になればなるほど人事はこの辺に臆病です
少しでも「退職を示唆する行為」があろうものなら人事部の誰かの首が飛びかねません
正直に言えば 40代以上の管理職が一人減れば 新卒が2名採用できます
諸外国はいい意味でも 悪い意味でもドライなので 必要とあらばスパっと実行します
日本はいい意味でも 悪い意味でもウエットで これをしたがりません
このため 頑張っているのに 利益率が低く 株価は低く 海外からの企業評価も低く 給料も低いのです
労働者の立場で考えれば 企業は社員を解雇することができない が こちらは好きな時に辞められる のが日本です
たとえ使用期間であっても よほどの理由がない限り解雇は出来ません
日本人は 現実より精神に趣をおく ところがあり「必要とされてない」などで簡単に心が折れる人が多いです
もう少し諸外国の労働者の図太さを見習った方がいいと思います
外国人に言わせれば「労働者天国の国」なのです
キャリアをリセットし出直す
あまり暗くなることは言いたくありませんが「日本はすでに貧しい国」なのです
観光部門に移り「なんでこんなに外国人が日本に来るようになったのだろう?」と思いましたが 海外の観光情報では「長きの不況により物価が安く お勧めの観光国」と説明されています
物価が下がれば給料も上がりません
老後のことは何も考えてこなかった場合 70歳になっても 80歳になっても働かなければならなくなりそうです
もう一つ 地位はリセットされます
先日 とある部長が定年後の再雇用の件で「定年になれば給料は下がるのはわかるけど あの青二才達が部長や課長で俺がその下はないんじゃないの?!」と言ってきましたが
貴方が有能とかそうでないかの問題ではなく 役職は新しい世代に譲ってください
これから部長になっていくのは「就職氷河期世代」が多いと思います
この世代は 就活から超底辺からのスタートです 行きたい会社に行けず 地位も低く 給料も上がりませんでした 地位が低ければ 言いたいことは抑え 聞かなくてもいいことを聞き 最も苦労が多い世代です 言いたいことが自由に言えない立場が長かった人は奥が深くなります
個人的に 人の価値は苦労の度合いに比例する と思ってます
決して楽して今の地位に就いたとは思っていませんが 高度成長期やバブル時代は比較的安易に役職者になれました
どんなに優れた女優・俳優でも いつまでも主役は出来ません 脇役に回る時が来ます
「わたしを誰だと思ってるの!そんな役できるわけないでしょ!」と断れば業界から消えていきます
「老兵は去るのみ」と落胆することはないと思います 「いつかはこの地位を新しい世代に譲るんだ」と考えていることが大切だと思います
中小企業は定期採用も上手くいかず 万年人手不足の会社もありますが 大企業は代わりはいくらでもいます
新しい指導者をサポートする方向に考え方をシフトしてほしいです
60歳過ぎたが「役職降りないでください」と嘆願されるケースもあります
新卒で私が24年間お世話になった会社の支店長Sさんが定年になり送別会に行きました
転勤しない社員群に群転換したので 普通 大企業なら冷遇されます
S支店長の支店は業績を伸ばしに伸ばし「もう誰がやっても苦しい支店」でした 私もSさんの後釜は嫌です 下るだけだと思います
そんな実力者のSさんに送別会で思わぬことを言われます
「俺は高度成長期の波に乗ってするするっと支店長になった お前たちはバブル崩壊後の苦しい時代を切り抜けてやっと数人が支店長になった『いつかお前たちの世代にとって代わられる』とびくびくして生きてきた 定年後も長く支店長でいられ幸せだった」
これほどの実力者が そんなことに びくびくしてたなど意外でした
厳しい人だけど(考えてみれば)人の考えは否定せず 主張もせず 柔軟でした
好きな言葉が蒋介石の
「黒でも白でもネズミを捕るのがいい猫だ」でした
60歳から毎年「もう退職します」と言い続け その度に人事に嘆願されていたようです
あれだけ人材が余っていても 代わる人材がいなかったということです
常々私たちに言っていたのが
「過去の実績は関係ない 重要なのは『今』と『これから』」でした だから最後まで必要とされたのだと思います
企業はいつの時代も課題だらけ
・これからの若い世代の育成を
・女性のライフプランに即した働き方改革を
・少子高齢化で外国人労働者をもっと日本へ
・社会的弱者の障害者も参加しやすい社会へ
社会も企業も課題だらけです
その中でも シニアのキャリアサポートはこれから最もボリュームゾーンになると思います
私は新卒の採用教育がメインなイメージが強いらしく シニアの方には
「あんた若手の味方だもんね」
「あんた来てから年々会社が若返っていく」
などと心外なことをいう人もいます
シニアの労働は今後も一番発信していく予定です
自分も近い将来同じ状況になるからです
ひとつ前の世代は逃げ切り世代でした 新卒で入社し 年功序列で出世し 終身雇用で最後までいられ 退職金をしっかりもらい 年金で老後を暮らす
これは「戦後昭和モデル」です
若い世代は新しいライフモデルを考え実行中の若者が多いです 彼らには十分な時間があります
直前の世代はどう生きるのか差し迫った問題です
キルケゴールの
人生は後ろ向きにしか理解できないが
前向きにしか生きられない
の通り前に進むための生き方を考えていかなければならないと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました