どうすれば人は育つのか
前回に引き続き「日本人気質に合った人材育成」を考えてみたいと思います
親や管理職や人を教育する立場の人は「どう育成するのがいいのか?」と悩んでいると思います
東洋には性善説・性悪説などもあり「人は自主的にいい仕事をする」と考えたり「管理してないと怠けるので厳しくすべきだ」と考えたりされてます
大概は「どちらも必要で、ケースバイケースで使い分ける」という意見が多いです
古来より『アメとムチ』という考え方があります
成功にはアメ、失敗にはムチを・・・それにより人は学習していくという考え方です
「アメとムチ」を使い分けるのがいいのか?
「アメだけ」がいいのか?
「ムチだけ」がいいのか?
と質問すると大概は「アメとムチ」がベストと答える方が多いです
理由は「俺はそうやって育てられてきたから」という返答です
ムチがあるとチャレンジしなくなる
マウスに一方にご褒美、一方に電気ショックを与える仕掛けを作ります
「動物はとにかくエサが欲しいから果敢にアタックするだろう!」と思いきや、マウスは動かなくなります
これは人も同じで『ムチがあるとチャレンジしなくなってくる』ということです
世の管理職は「チャレンジする人がいないと現状打破できない」
世の親は「子供はとにかくやってみることが大切」
トライ&エラーが重要だということをよくわかっています
親や管理職も人間なので失敗を嫌います
失敗に対して、怒ったり、嫌味を言ったり、嫌な顔をしたりしがちです
「トライはいいが、エラーはヤダ」は当然あります
脳科学者の中野信子さんは『アメと無視』がベストだと言います
『とにかくチャレンジする人が多い環境』は現状を改善改革し続けます
私達の多くは『アメとムチ信仰』を信じすぎていたかもしれません
山本五十六の人材育成論
日本で有数の厳しい集団といえば、かつての軍隊でしょう
命のやり取りをするわけですから、恐怖に打ち勝つ精神力を作らなければなりません
最も「ムチが必要」な組織のように感じます
山本五十六海軍大将の言葉
やってみせ
言って聞かせて
させてみせ
褒めてやらねば人は動かじ
(この言葉には続きがあります)
話し合い
耳を傾け承認し
任せてやらねば人は育たず
やってる姿を感謝で見守って
信頼せねば人は実らず
人を動かす・人を育てる・実らす・・・どこにも「叱れ」「怒れ」「強く注意しろ」などは語られていません
「実年者は若者が何をしたかなどとは言うな!何ができるかと、その可能性を発見してやってくれ」と語っていたようです
『何ができるかと、その可能性の発見』
付き合って2~3ヵ月もすれば誰にも尊敬されていたという山本五十六は、現代に失いかけているリーダーとしての大切な要素を兼ね備えていた人物と言えそうです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました