算命学 人生の羅針盤
ビジネス心理学

心理学でみる「やる気」‐3

欲求とは

やる気の発生には『動機』の他に 欲求があります

『欲求』は『動機』の要因となる重要な心の現象です

アメリカの心理学者 マズロー(Maslow.A.H)の欲求段階説は有名ですね

①生理的欲求 ②安全の欲求 ③愛情・所属の欲求 ④自尊心の欲求 ⑤自己実現の欲求の5段階を説いたものです

生理的欲求から徐々に満たされていくものであり、段階ずつの欲求が満たされないと 次の欲求を充足することは出来ないと説いています

「〇〇したい・・・」というWILLがすべての出発点ではないでしょうか

『目標達成』や『志』の核になるモノだと思っています 

成長欲求は最後に発生する

教育・研修の責任者をしていたり、支店長として新入社員を毎年受け入れたりしてきましたが早く成長して成果を出してほしいと願います

ただし、太陽と水があれば成長して実をつけてくれる植物のようにはいきません

「自己成長の強い意志をもて!」とか「自主的に動いて成果を出せ!」と言ったところで簡単にはそうはいかないのが教育の難しいところ

「3カ月後にアメリカへ赴任が決まった」などと追い込めば必死に英語学習するのでしょうが、変わらぬ日常の中で「やるきをだせ!」と言っても「はいだします」とはならないのが難しいところです

まず人は食べる為に仕事に就こうとし、就職が決まった時点で生理的欲求は満たされますが、欲求は次のステージに行きます

安全への欲求のステージに上がると、よほど危険な仕事でない限り人間関係の安心・安全・安定が求められます

「裏の退職理由に人間関係に悪さが8割ある」などと言われますが、人間関係は重要な要素です

当然ここで心身を病むような環境であれば「成長しよう」どころではありません

「そんなこと」と思う人も多いと思いますが、社内カウンセリングをしていると、ここで立ち往生している若手も多いんです

ここがクリアされて「必要とされたい」「チームの一員でありたい」「社会から必要とされたい」という社会的欲求にステージが変わります

「食べる為に就職した」という人が新たな不平不満を抱くようになります

人間がグループを作ったり、SNSを使って他者とつながりを求めるのも、このような帰属意識を求めるためだと考えられます

そして承認の欲求にステージは上がり誰かに認められたい」「尊敬されたいと欲求がまた変わっていきます

マズローは承認の欲求について「自分自身の評価」「他者から受ける評価」の2つがあり、 自分自身の評価は主に「強さ・達成・適切さ・熟達と能力・世の中に対して示す自信・独立と自由に対する願望」となります

他者から受ける評価は「評判・地位・名声・栄光・優越・注目・重要度」などがあります

承認の欲求からは内面的な部分に向けられていきます

そして欲求は満たされると自尊心が高まり、妨害されると劣等感・無力感を感じるのが特徴です 

ここまできてやっと自分をもっと成長させたいという自己実現の欲求にステージが上がるので、若手社員にやる気を出させるのも理論だけでなく根気が必要です

自己実現欲求

人間の欲求は一度満たされてしまうと充実感は長く続かず、次の段階の欲求がどんどん活性化されます

特に『自己実現欲求』は多くの人が望んでいることでしょう

採用が困難な時代に大卒の採用担当をしていた時のキャッチフレーズが 「自己実現を 社会実現へ・・・」でした

「自己実現できる会社」ということをあらゆる方向からアピールしていきます

自己実現の欲求は、欠乏感を癒し、自己の成長という終わりのない目標への欲求を生じさせます

この段階に入った社員は多少多くの給料を提示されても転職などしません

マズローが人間は自分から成長しようとする欲求を抱いていると定義しましたが、まさにその通りです

親、教師、管理職はこの点に括目し、目下を伸ばすことが重要でしょう

人間の成長意欲が『動機』と結び付き、様様な行動が生じてくることへの理解が必要なのではないでしょうか 

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました