増えている大企業の黒字リストラ

パナソニックホールディングスが国内外1万人の人員を早期退職 にて削減すると発表しました

対象は勤続5年以上の49歳から59歳の氷河期世代(41歳〜55歳)とバブル世代になり、この辺は社会に出る時に終身雇用&年功序列が摺り込まれていた世代であり、家庭があれば住宅ローンと子供の学費が重くのしかかる年代です

3000億円超の純利益がある黒字企業がなぜリストラなの?と考えてしまいます

パナソニックホールディングスは経営構造改革の一環としての人員の適正化であるとし、人員削減により700億円の収益改善を見込んでいると説明しています 

2025年は大型リストラが相次いでいて、東京商工リサーチによると2025年8月末までに上場企業の早期・希望退職募集の対象人数は1万を越え3年ぶりの1万人超えとなりました

募集が判明した上場企業は31社のうち東証プライム上場企業が24社あり、直近決算の黒字企業が61.2%を占めているそうです

業種別の募集人数は電気機器が最も多く13社、7762人だそうで三菱電機も人員削減を発表しています

黒字企業なのになぜ働き盛りの中高年社員を削減する必要があるのか

リストラといえば年功序列賃金で高止まりした中高年を切ることで人件費の削減を狙ったリストラも多かったが、黒字であるからそればかりでもないだろう と思いますよね

昭和的な社員都合思考は捨てた方がいい 

「俺はベテラン社員だ!」

「〇十年会社に尽くしてきた」

「家族に負担をかけながらも全国転勤をしてきた」

だから会社は50代はそれに応えて出世させて高賃金で報いるというのは昭和の発想です

平成入社でも中期までの人は昭和入社の先輩が多く「若い頃の苦労は晩年に会社が報いてくれる」と言われていたりします

今の会社はそんな社員都合の考え方はしてくれません

三菱電機の阿部恵成最高人事責任者は事業構造改革について柔軟に進めるには、明らかに高齢化が進んでいる現在の人員構成では難しいと述べています

三菱電機は53歳以上が全社員の4分の1を占め「人の再配置を伴う事業変革を進めているが、リスキリングや再配置だけでは間に合わないので短期施策として必要と判断した」と人員削減の理由を語っているます

つまり、社員の高齢化を防止し、若返りを図るための人員削減だということですが、社員の高齢化は大手企業特有の現象でもあります

若年労働力の減少を補うために、研修によるキャリア開発やリスキリングなどによって中高齢社員の再活性化と戦力化を図っている企業もありますが、三菱電機は中高齢社員の再活性化を一部断念し、削減に踏み切ったことになるります

実は社員の高齢化を理由に人員削減を実施する 企業は多く、医療機器メーカーの人事担当役員は 

「当社は40代以上の社員が半数を占めますが、4年後には50代以上が30%を占め、早期退職募集の理由は今のうちに労務構成を正しておきたいことに加えて年功的賃金で給与が高いこととなり、このままでは会社の体力が耐えられなくなるという不安もあります」 

「伝統ある企業で何十年も同じ仕事をしてきた50歳55歳の人たちに、今後新しい価値を生み出す仕事をしようと言っても難しく、逆に事業変革など新しいことをやろうとすると抵抗勢力にならざるをえないので、社外に転進してはどうかという提案です」

これが50代に対する企業の本音だと思います

 会社が変わる、ビジネスが変わるというときに、新たな能力を身につけさせるのは本人の意欲を含めて難しく、逆に障害になると考えています

これからの賃金は富士山型 

「初任給30万円時代」など言われますが、これは今後もさらに上がり継続していくと思います

とにかく若者は年々貴重な存在になっていき、35歳位が給料のピークとなり、40代後半まで続き、その後は下がり続けるという富士山のような給料変化と考えた方がいいと思います

『最初は低いがじわじわ上がり続ける』昭和型から山は高いがいずれは下りはじめるというカタチがスタンダードになり、子供の学費や住宅ローンなどの組み方も計画が変わってきます

さらに人生は長くなり、80歳まで半分以上の人が働く時代になりますから山のすそ野は広くなります

現在、日本の70代の半分は働いていますが、昭和の時代に学校を出て就職した時に「まさか70歳でも働くとは・・・」と考えていなかったと思います

20歳前後で氷河期世代がうらやむほどの初任給で迎えられ、30歳~40歳が富士山の頂上で、50歳から80歳まで収入は下がり続けるのが人生のスタンダードになります

今は「50代になったら社会の扱いが冷たい」と感じるかもしれませんが、それが当たり前になれば人生後半戦の考え方や生きがいの持ち方も変わってきます

昭和に比べ令和では人生が30年長くなり、その年代ごとの幸福を考えていくことが大切になってくると思います

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました