昔は子供は資産だった
パナソニック(松下電器)の創業者・松下幸之助さんは9歳から丁稚奉公だったのは有名です
故郷の和歌山県から大阪に旅立ち、商売の本場である船場で丁稚として働くことになります
なんせ10歳にも満たない子供ですので、幸之助さんは「毎晩、店をしまって床にはいると母のことが思い出して泣けて仕方がなかった」と回顧しています
賢く努力家だった幸之助さんは、独立開業し実業家として成功していきます
丁稚奉公は江戸時代から昭和の終戦まであり、10歳前後で家を出され下働きになり、親は『身売りしたお金と食い扶持の減』使用する側としては『安い労働力』が手に入ります
ウィキペディアでも「10歳前後で商店に丁稚として身売りされて商家の奴婢となり、年間数日の休みで1日13~16時間雑用と肉体労働に従事し、読み書き算盤の教育も施され、逃亡や犯罪の防止の為、紹介者の仲介と保証人による保証が必要とされた」と記載されています
令和に生きる私達からすると「ひどい!子供の人身売買じゃないか!」「学校にも行かせず児童労働だ!」となりますが、以前紹介した「おじろく・おばさ」同様、当時の人は当たり前のことで『まずは生きることが優先』の時代でした
この時代は『子供は資産』だったので、子供は多い方が良かった時代でした
当然、8人兄弟や9人10人の兄弟の家は当たり前になりました
教育も『読み・書き・そろばん(計算)』ができれば十分で、まだまだ未成熟な社会だったといえます
先進国では子供は負債
文化・文明が成熟してくると教育制度が確立し、今や義務教育のみならず高校までの教育が当たり前になってきました
20歳前後まで養えばコストは上がり、特に教育費はかなりの額になります
現代の先進国では『子供は負債』と言えるほどお金が掛かるので、当然少子化になります
社会の成熟とともに、生めや増やせやの精神は萎んでいくのが普通です
子供がやっていた仕事はどんどんマシンに置き換わり、機械化できないものは消滅します
子供産業はおもちゃや衣服、塾や教室など次々に増えていき、家庭内の子供のコストはかなりのものになります
一般的に子どもを1人育てるには1400万円〜2000万円かかると言われていますので、子育てにお金がかかることが大きなネックとなっています
戦後生まれは2人兄弟がスタンダードになりました
社会が成熟していけば多様化も進み、非婚化・晩婚化及び結婚している女性の出生率低下など が重なっていきます
少子化は先進国の当然の問題になっていきます
最も重要な未来への投資が子供
負債である反面『子供は未来への希望』です
先の国作りを考えれば『最も重要な投資は子供への投資』になります
採用市場は20代後半から40代前半の『即戦力キャリア採用』がかなり過熱していますが、Z世代の採用は未来を考えると手が抜けません
希少価値の高い若者世代を採用することはだんだんと困難になっていき、α世代の就活の頃には新卒の学生を採用できる能力のある企業は、かなり少数派になると予測できます
『国家にとって子供は貴重な宝』ということは、今も昔も変わらないと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました