役職定年はなぜ起こるのか
私の部署である人事でも、もう5年にわたり役職定年をいつにするのかを議論しています
なぜ長引くかといえば「役職定年なんてひどい!」という50代の強烈な反発があるからです
私が最初に勤めた会社は平成5年から管理職の降職基準をつくり実施していました
いい悪いは別にして、バブル崩壊後のかなり早い頃から実施していましたので『年功序列制度にメスを入れる』会社だったといえます
かなり強引に会社が取り組んだので、労働組合の職場委員の会合では「なんでこんなひどいことをするんだ!」と上の世代が憤慨していたのを横目で眺めていました
降職は年齢ではなく基準の数値がありましたが、支店長や営業管理職などは40代後半からの方々が大多数でした
もちろん実績が良ければまた復帰します
現在の役職定年は年齢で一律に降職していきますが、優れた人は60歳過ぎても会社が頭を下げ管理職延長をしていました
そんな中で四半世紀勤めてきたので、現在の役職定年は「やっと始まったか」という所感です
「○○部長」と今まで呼ばれていた人が「○○さん」と呼ばれるようになり、部下も裁量権もなくなるわけですから、けっこう精神的には屈辱に感じる人も多いと思います
大きな会社では役職解除は50代がほとんどのようですが『なぜ50代が降職基準なのか?』考えてみたいと思います
キャリア不足のメリット
昭和は55歳が定年でしたので「パソコンも使えないし、やり方も考え方も古いが最後まで置いとくか」が通用しましたが、これが60歳65歳となるとそうも言ってられなくなります
私が支店長になったのは30代前半で、地方の部下17人の小さな支店でした
前任の支店長が30代後半なのに降職となり、9月に就任して4ヶ月間予算は大幅未達でした
12月に社長FCがあり、営業のお偉いさんたちがゾロゾロと来ました
とても生きた心地がしませんでしたが「これは面白いチャレンジだ!」「これは良く工夫している」と一つも批判を受けません
いろいろと指導を受けて穏やかに去っていきましたが、次に異動した50代のベテラン支店長の二人のところでは怒り爆発だったようです
私の場合、経験がない⇒ノウハウがない⇒もがいていろいろ工夫やチャレンジをするが良かったようです
ベテラン支店長のお二人は「今まではこれで出来てたんですが・・・」という発言と原因他人論の発言が多かったようです
1月からは好調でしたが「仕事には執念が必要!執念から工夫が生まれる」と総括されていました
企業は過去の実績は評価しているようで全く関係がなく「これから何をしてくれるのか」が重要なようです
ストレートに言えば「言い訳達者なベテラン」より「チャレンジをして新しいノウハウを想像してくれる人」を重視します
それは後に本社の営業企画へ異動になった時によく理解出来ました
チャレンジがなくなったら組織は終わり
マザーテレサは「神は成功など望んでいません!チャレンジすることを望んでいるのです!」と述べています
降職に直面すると「俺には経験とノウハウがあるのに」とベテラン社員の多くは口にしますが、問題は新しいチャレンジをする気があるかということです
年齢がいくと、よく言えば行動がエコになり、悪く言うと新しいチャレンジをしなくなります
「俺の経験から行くとこれは上手くいかないね」⇒「ほらね」という社員より、チャレンジしてこけて、また立ち上がってチャレンジしてを繰り返す人を欲します
50代の中には何かチャレンジしようとすると『まず批判する』という人が目立ちます
組織の求めているのは『まず行動する人』で、べらべら喋るだけでは現実は全く変わらず、変化は行動の後についてくるから評論家姿勢よりチャレンジャーが重視されるのです
逆に歴史の浅い会社では50代のベテラン社員を欲する企業は多くありますので、役職定年後は住み慣れた組織を離れ、新天地でチャレンジが理想だと思います
なにか発言された時、第一声が否定の言葉が出がちな場合はそろそろ管理職引退の時期だと思います
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました