失業者も倒産企業も少ない日本
「企業倒産」も「失業」もない方がいいと考えるのが普通の考え方です
コロナウイルスの蔓延で連日、厳しい経済状態が続いていると報道されてます
加えて戦争まで起こり「原料が値上がりした」「株価が下がった」などのネガティブな要素も加わってきています
報道では「生活に困窮する人達」「売上が下がり苦しむ経営者」などが毎日映し出されています
「感染者が増えた!」となるたびに〈閉められる飲食店〉〈ガラガラな商業施設〉などを長らく目の当たりにしてきました
「コロナ下で企業がだいぶ減ったのでは・・・」と思いきや、そうでもないのです
日経新聞によると『2021年の企業倒産が57年ぶりに低水準』で企業倒産は22%減だそうです
「えええ、昨年の企業倒産率は歴史的に低かったの?!」と驚きです
世界的に観ても『失業者が少ない』『企業倒産が少ない』は非常にいいことですが、長期目線で見るとそうでもなさそうです
ゾンビ企業が多い日本
世界的に観ても日本は「失業者少ない」「企業倒産少ない」ので喜ばしいことには違いありません
国は企業に対しかなりの下支えを行ったため〈極めて低い倒産率〉〈極めて低い失業率〉となりました
世界的な投資家のジムロジャースは「日本はバブル経済の崩壊後、過剰に大企業保護を行いゾンビ企業が多すぎる」と酷評しました
「本来潰れるべき企業が未だに生き続けている」
「社員も経営陣も会社を残すことに必死なんだ!高みの見物してる投資家が勝手なこと言うな」と私も思いました
社員は会社を守ることに必死です
投資家は労働しません
自分の都合で私たちの会社の株を冷たく売りに出します
しかし残酷な真実として、金持ちになるのなら『労働者<経営者<投資家』なのは現実です
労働者から見れば「マネーゲームにしか見えない」投資家の目は最もシビアです
労働者が〈アリの目〉ならば投資家は〈鳥の目〉なので、お互い見える景色が違うのです
なけなしのお金で株式投資をしてみればわかりますが、その時だけは〈鳥の目〉になります
労働者から見ればありがたい日本政府の政策も、投資家から見れば「無意味な生存策」と言えそうです
自然淘汰・新陳代謝は必要
「倒産も失業も少ない!素晴らしい」と我々が評価する一方で「またしても本来淘汰されるべきゾンビ企業が増殖した」と見る人達もいます
人は自分の関わっていない企業であれば冷ややかです
「A社はもう時代に求められてない、これから伸びるB社に株を移そう」
勝ち馬に乗るのは世の常です
「一生懸命会社のために頑張ってる」
「長くこの会社に勤めている」という〈労働者のアリの目〉も持ちながら
「これからの時代の変化の中で淘汰されるかもしれない」
「ここで培ったノウハウをB社で活かそう」などの〈投資家の鳥の目〉も持つ必要があります
最も重要な投資は『自分という労働資本を労働市場に投資すること』なのです
『自然淘汰』『新陳代謝』『環境変化』は社会では必ず起こり、また必要なものです
過剰保護は短期的に観ればよいことですが、長期的に観ればゾンビ企業が増えるだけの悪策だと言えそうです
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました